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産業廃棄物の木くずとは?種類や処理方法を解説

事業活動の中で、日々あらゆるゴミが大量に発生しています。

産業廃棄物は特異な性質を持つものもあるため、正確に分類し、適切な処理を施さなくてはなりません。特に、木くずは業種によって対応の仕方が異なり、判断の基準がやや曖昧で難しいです。

 

そこで本記事では、産業廃棄物の一種としての木くずの対象範囲や種類、具体例、処理方法や処理費用の目安などを解説します。

木くずが生じる事業に携わる方、木くずの処分方法に関して細かく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

 

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産業廃棄物における木くずとは

 

産業廃棄物とは、事業活動に伴って生じた廃棄物のことです。

廃棄物処理法では20種類の産業廃棄物を規定しており、そのうちの一つが木くずです。

 

産業廃棄物の一種としての木くずは、排出する業者が限定されます。

つまり、同じ廃棄物でも排出の対象業者に当てはまる場合は「産業廃棄物」に、当てはまらない場合は「一般廃棄物」として処分しなければなりません。

 

産業廃棄物に当てはまる木くずの対象は以下の通りです。

 

【木くずの対象】

  • ・建設業に係るもの(工作物の新築、改築または除去に伴って生じたもの)
  • ・木材・木製品製造業(家具の製造業を含む)に係るもの
  • ・パルプ製造業
  • ・輸入木材の卸売業および物品賃貸業に係るもの
  • ・貨物の流通のために用いたパレット(パレットへの貨物の積付けのために用いたこん包用の木材を含む)に係るもの
  • ・PCB(ポリ塩化ビフェニル)が染み込んだもの

 

貨物流通のために用いた木製パレットは、業種に関係なく産業廃棄物となります。

 

また、PCBとは化学的に合成された有機塩素化合物のことです。

化学的に安定しており、耐熱性や絶縁性・非水溶性に優れていることから、以前は電気機器の絶縁油や塗料・印刷インキの溶剤などに使われていました。しかし、PCBは生体内に取り込まれやすい上に分解されにくく、毒性があるため人体や環境に悪影響を及ぼす恐れがあり、昭和49年に製造が禁止されました。

 

PCBは特定有害産業廃棄物に該当するため、PCBが染み込んだ木くずも当然、産業廃棄物として正しく処理されなくてはなりません。

 

木くずの種類

 

産業廃棄物・一般廃棄物に分けて、木くずの具体例を見ていきましょう。

 

産業廃棄物となる木くず

 

建設業関係の建物や橋、電柱、小屋などの廃木材、製品製造業関係の会社で生じるおがくず、パーク類、梱包材くず、板きれ、廃チップなどが挙げられます。工事箇所から発生する伐採材や伐根も含まれます。

 

また、道路や公園などの施設の手入れを担当する造園工事業で生じた剪定枝(せんていし)も、産業廃棄物として分類されます。

 

一般廃棄物となる木くず

 

家具製品、梱包用の木材や流木、枕木の木くずなどがその一例です。

また、森林の密林化を防ぐために切った間伐材や伐採木、園芸サービス業で生じた剪定枝も一般廃棄物として分類されます。

 

さらに、流木に関しては特殊であるため注意が必要です。

例えば、園芸工事業で川の整備を実施した際に発生した流木であっても、全て一般廃棄物となります。

 

産業廃棄物と一般廃棄物の違いとは

 

そもそも、産業廃棄物と一般廃棄物の違いが何かわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

産業廃棄物と一般廃棄物の違いは、発生過程や処理責任の所在、処理方法です。

 

こちらの記事では、産業廃棄物・一般廃棄物の違いや具体的なゴミの種類、処理手順などについて解説します。

廃棄物の処理に携わる中で、排出事業者から質問を受けることがある方は、ぜひ参考にしてください。

【関連記事】

産業廃棄物と一般廃棄物の違い

 

木くずが発生する場所

 

木くずが発生しやすい場所を見ていきましょう。

 

解体現場・建設工事現場

 

木材の用途や活用場所の性質上、解体現場や建設工事現場では木くずが発生しやすいです。

産業廃棄物の一種としての木くずは、建設業に係るものが多くの割合を占めるでしょう。

 

木製品加工会社

 

木製品を加工する際には、木の削りカスや木材の余剰が生まれやすいです。

 

木くずの処理方法

 

木くずは、積極的にリサイクルが行われている産業廃棄物の一つです。

一方で、リサイクルできない木くずに関しては、適切な処理の後、最終処分されます。

 

リサイクル

 

木くずは木材としての価値を有するため、様々な方法でリサイクルされています。

平成12年に制定された建設リサイクル法では、コンクリートやアスファルトなどの特定建設資材を用いた一定規模以上の建設工事について、受注者に分別解体や再資源化を義務付けています。

 

チップ化

 

チップ化とは木くずを細かく砕くことを意味し、最も浸透しているリサイクル方法の一つです。チップ化した木くずは、紙の材料や断熱性・吸音性のあるファイバーボードと呼ばれる建材に活用されます。

他にも、木くずの種類によって幅広い応用が可能です。

 

例えば、腐食しにくいヒノキチップはガーデニングの敷料に、クルミやブナ、モミ、マツなどの複数の木くずは合わせて燻製剤に、消臭・分解効果の強いスギチップはコンポストとしても使えます。さらに、木くずのチップはバイオマス燃料としても注目を集めています。

 

燃料化

 

木くずを燃料として有効活用する場合も多いです。

建物の解体後に生じる建築廃材やパームヤシ殻など、燃えやすい木くずはRPF燃料と呼ばれる固形燃料として活用されます。RPF燃料とは、マテリアルリサイクルや分解が難しい廃棄物を主原料とした燃料のことです。重油に比べて二酸化炭素発生量が少なく、コストを抑えた環境に優しい燃料として期待が高まっています。

 

また、セメントを製造する際の原燃料や、ボイラー施設のバイオマス燃料などとして使われる場合もあります。

 

堆肥化

 

木くずを堆肥化して再利用するケースです。

木くずを破砕し、生ゴミや家畜糞尿などの有機系廃棄物を堆肥化する時に、水分調整剤として用います。民間事業者や自治体が中心となった大規模な堆肥化から、家庭用の生ゴミ処理機の副資材まで、幅広く活用可能です。

 

また、樹皮に家畜糞尿や食品廃棄物を混ぜて、堆積・発酵させたバーク堆肥などもあります。

 

埋め立て処理

 

木くずを埋め立て処理するケースでは、管理型最終処分場へと運ばれます。

管理型最終処分場とは、埋め立て後の廃棄物が雨水などを通して周辺環境に悪影響を与えないよう対策が整えられている、厳密に管理された処分施設のことです。

 

焼却処理

 

再利用が不可能な場合は、焼却して最終処分されます。

焼却時に発生する熱をエネルギーとして回収し、利用するタイプの焼却施設も存在します。

 

木くずの処理費用相場

 

木くずの処理費用は重さで決まります。

1キログラムあたり10〜60円、もしくは1立法メートルあたり3,000〜8,000円程度が相場です。ただし、汚れの付着や腐敗具合など、木くずの状態や種類によっても値段が変わる可能性があります。処理を委託する前には、木くずの状態をよく確認しましょう。

 

発生した木くずが産業廃棄物に当てはまるか要確認

 

いかがでしたでしょうか。

今回は産業廃棄物の一つである、木くずの種類や処理方法、処理費用の相場などについて解説しました。

木くずはあらゆる活動から生じるものの、条件を満たす一部の木くずのみ、産業廃棄物として分類されます。誤って処理した場合は、法律違反として罰せられる可能性もあります。

事業内容や廃棄物の性質をよく確かめてから、正しい判断・処理を心がけましょう。

 

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