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コラム

収集運搬業車必見!産業廃棄物収集運搬業務の効率を高める方法

収集運搬業者を取り巻く環境は、大きく変化しつつあります。物流の2024年問題は少なからず影響を及ぼしており、収集運搬業務の効率化が強く求められています。

 

本記事では、収集運搬車両の運搬効率と稼働効率を高める方法、配車システムの概要とメリット・デメリットなどを解説しています。

業務改善を検討している方は参考にしてみてください。

 

収集運搬車両の運搬/稼働効率を上げる方法

 

 

ここでは、収集運搬車両の運搬効率および稼働効率を高める方法について解説します。

 

受付業務での課題の解決

 

運搬効率、稼働効率を高めるため取り組みたいのが受付業務の改善です。

関係ないように思えますが、業務のスタート地点であるため、無駄が発生していると運搬効率、稼働効率を引き下げる要因になりえます。

 

よくあるトラブルとしてあげられるのが、人手不足で回収依頼の電話に対応できない、聞き間違いが頻発するなどです。

情報の確認や対応可否の判断に時間がかかるケースもあるでしょう。

 

これらの課題は、受付業務管理ツールを導入すると解決できる可能性があります。

WEBで24時間受付を行ったり、リアルタイムで配車担当者と情報共有したりできるためです。

 

配車表の課題の解決

 

配車表の作成も課題が発生しやすい業務のひとつです。

主な理由として、車両のやりくりなど、複雑な要件に配慮しなければならない点があげられます。

作成にあたり、一定の知識と経験を求められるケースが多いでしょう。

したがって、ベテランスタッフに任せるケースが少なくありません。

 

事業者によっては、特定のスタッフに依存していることもあります。

このような状態は、作業の属人化を招きやすくなります。

ここでいう属人化は、担当者しか業務内容を理解していない状態であり、何かしらの理由で担当者が不在になると業務を進められません。

業務効率を落とす原因になってしまいます。

 

配車表をエクセルで管理している場合は、操作ミスや入力ミスなどにも注意が必要です。

このようなトラブルも、業務効率を落とす原因になりえます。

解決策のひとつとして、DX化の推進があげられます。

関連するツールを導入することで、属人化を解消したり配車表を自動で作成したりできます。

 

厳格な運行管理と安全対策

 

産業廃棄物は、法律に従い処理しなければなりません。

廃棄物の中に引火性のあるものや劇毒物が含まれるケースもあります。

したがって、業務効率化で重視するべきポイントは一般廃棄物と異なります。

もちろん、運行ルートの見直しなどは重要ですが、これらの前に安全性と正確性を考える必要があります。

万が一、事故などを起こすと、大きなトラブルに発展する恐れがあるためです。

 

基本の対策は、厳格な運行管理で業務の無駄を省くことです。

たとえば、ダブルブッキングをなくすだけでも業務を省力化できます。

また、ツールを導入して、管理者とドライバーの連携を密にすることも大切です。

たとえば、出発、到着の報告を省けると、ドライバーの負担は軽くなるでしょう。

あるいは、走行状況を管理者がリアルタイムで把握できると安全対策を講じやすくなります。

 

安全性と正確性を重視しつつ、無駄を省いていくことが大切です。

 

待機時間減少のために排出事業者と連携

 

ドライバーの業務効率を大きく引き下げる課題として待機時間もあげられます。

当然ですが、待機時間もドライバーの労働時間の一部です。

この時間が長くなると、他の対策を講じても稼働効率は悪くなってしまいます。

 

一定以上の待機時間が発生している場合は、排出事業者と連携してその削減を図ることが大切です。

具体的な対策として、収集運搬業者がイニシアティブをとってスケジュールを調整するなどが考えられます。

排出事業者がイニシアティブをとると、万が一に備えて、余裕をもったスケジュールになるケースが多いためです。

 

排出事業者の気持ちは理解できますが、業務効率が悪くなると収集そのものが難しくなります。

収集運搬業者の事情を説明して丁寧に交渉することが大切です。

ちなみに、国土交通省などは2023年に待機時間削減に関係するガイドラインを策定しました。

同ガイドラインでは次のように定められています。

 

荷主事業者は、荷待ち、荷役作業等にかかる時間を計2時間以内とする。その上で、荷待ち、荷役作業等にかかる時間が2時間以内となった、あるいは既に2時間以内となっている荷主事業者は、目標時間を1時間以内と設定しつつ、さらなる時間短縮に努める。

引用:国土交通省「https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001612798.pdf」

 

荷積み・荷下ろし業務の効率化

 

荷積み・荷下ろし業務も、収集運搬車両の運搬効率・稼働効率に関わります。

これらの業務にも一定の時間がかかるためです。

 

一例として、鉄などの産業廃棄物をクレーンで積み降ろしするケースがあげられます。

「思いのほか時間がかかった」などのトラブルを防ぐため、荷積みから荷下ろしまでにかかる時間をあらかじめ予測して管理することが大切です。

荷積み・荷下ろしに時間がかかる場合は「どのような状態であれば効率よく荷積みできるか」「どのような状態であれば効率よく荷下ろしできるか」を排出業者に説明して協力を求めるとよいでしょう。

 

マニフェストなどの書類業務の効率化

 

書類業務の見直しも業務の効率化につながります。

マニフェストや報告書など、収集運搬業者は管理しなければならない書類が多いためです。

 

基本の対策は、書類業務を事務担当者に任せることです。

ドライバーが運転業務に集中できるため、収集運搬車両の稼働率を高めやすくなります(業務量の調整は必要です)。

 

並行して、書類業務、事務業務の省力化を図ることも大切です。

これらを省力化すると、ドライバーまたは事務担当者が対応できる業務の範囲が広くなります。

具体的には、電子マニフェストへ切り替える、省力化につながるツールを導入するなどが考えられます。

たとえば、走行データを自動で管理するツールや日報を作成できるツールを導入すると、事務業務の負担を大幅に削減できるでしょう。

 

会社全体で業務の効率化を図ることが大切です。

 

配車システムとは

 

 

収集運搬業務の効率化に役立てたいのが配車システムです。

配車システムは、収集運搬車両の運用を最適化するシステムといえるでしょう。

 

以下の3タイプにわかれます。

 

【タイプ】

  • ・配車管理
  • ・自動配車
  • ・車両管理

 

配車管理は、配車計画、運行計画の作成に適したタイプです。

どの収集運搬車両で、どの産業廃棄物を、どれくらい運ぶかなどを計画できます。

配車計画、運行計画を効率よく作成できる点がポイントです。

 

自動配車は、AIなどを活用して走行ルートを自動で作成するタイプです。

時間指定はもちろん、停車可能位置や交通渋滞などを踏まえて走行ルートを作成します。

 

車両管理は、収集運搬車両の走行ルートを表示するとともに位置情報を管理・記録するタイプです。

位置情報をもとに、日報や報告書を作成できます。また、急ブレーキなどを検知して、安全運転教育などに生かすこともできます。

 

配車システムのメリット・デメリット

 

配車システムの主なメリット・デメリットは次のとおりです。

 

メリット

デメリット

業務の属人化を防げる

ドライバーがストレスを感じる

業務の効率化を図れる

想定外のトラブルを防げる

 

配車計画、運行計画、走行ルートの作成には、一定の知識と経験が求められます。

したがって、ベテランスタッフが業務を独占しているケースが少なくありません。

配車システムを導入すると、客観的なデータをもとにこれらを作成できるようになります。

したがって、業務の属人化を防げます。

 

業務の効率化を図れる点も魅力です。

配車システムを活用すると、走行ルートの作成、走行状況の確認、報告書の作成などにかかる手間を大幅に削減できます。

また、合理的な走行ルートの選定により、ドライバーにかかる負担の軽減も期待できるでしょう。

 

想定外のトラブルを防げる点も見逃せません。

交通渋滞や交通規制などを踏まえて走行ルートを作成するため、配送遅延をはじめとするトラブルを防ぎやすくなります。

データの共有により、聞き間違いなどのトラブルも起こりにくくなるでしょう。

 

一方で、配車システムの導入により、ドライバーがストレスを感じやすくなる恐れがあります。

管理者に運行状況などをリアルタイムで把握されるためです。

理解を得るため、導入目的などを説明しておくことが求められます。

 

物流の2024年問題への対応

 

2024年問題は、2024年4月からドライバーの時間外労働が年960時間に制限されることで生じた問題の総称といえるでしょう。。

 

長時間労働の是正を求められるなどの様々な影響に対し、対策の一つとしてあげられるのが新規ドライバーの採用です。

ただし、自動車運転従事者の有効求人倍率は職業計を大きく上回るため、募集をかけても採用が難しい状況にあります。

新規ドライバーを採用できないと、これまで通り仕事を受けられず売上が減少する恐れがあります。

 

そこで検討したいのが、配車システムを活用した運行計画の見直しなどです。

無駄を省けば、長時間労働を是正しつつ、収集運搬能力を確保できる可能性があります

 

参照元:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和5年12月分及び令和5年分)について」

 

収集運搬業務の効率化に取り組みましょう

 

ここでは、収集運搬車両の運搬効率、稼働効率を高める方法などについて解説しました。

 

2024年問題に対応するため、収集運搬業務の効率化は欠かせない取り組みです。

主な対策として、配車計画の最適化、運行管理の厳格化、安全対策の徹底、書類業務の効率化などがあげられます。

 

何から始めればよいかわからない場合は、配車システムの導入を検討するとよいかもしれません。

業務の属人化を防ぐなど、収集運搬業務の効率化につながるさまざまな効果を期待できます。

 

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