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コラム
産業廃棄物処理業におけるSDGs達成に向けた取り組みの重要性
本記事では、SDGsの概要と17の目標を紹介し、産業廃棄物をめぐる課題やリサイクルの重要性について詳しく解説します。
産業廃棄物処理業におけるSDGs達成に向けた取り組みは、持続可能な社会の実現に必要不可欠です。
産業廃棄物の総排出量や最終処分場の現状、リサイクルによる循環型社会の構築についても触れ、産業廃棄物処理業界が果たすべき役割も紹介します。
SDGsの達成に向けた取り組みを進めるために、本記事をぜひ参考にしてください。
< 目次 >
SDGsについて
SDGs(エスディージーズ)とは、「Sustainable Development Goals」の略称であり、日本語では「持続可能な開発目標」を意味します。
2015年9月、国連の「持続可能な開発サミット」で、加盟する全193ヶ国によって採択された国際目標です。
SDGsは2016年から2030年の15年間で達成すべき目標として設定されており、発展途上国から先進国まで、世界中の国々が取り組むべき指針となっています。
その理念は「誰一人取り残さない(leave no one behind)」という強い誓いに基づいており、すべての人々が共に進む持続可能な未来を目指すのです。
SDGsは、環境保護、貧困削減、経済成長など、幅広い分野での取り組みを促進し、地球規模の課題解決への貢献を目標としています。
SDGsが掲げる17の目標
SDGsが掲げる17の目標は、以下の通りです。
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それぞれの目標にターゲットやミッションが設定されており、実現のための方法も示されています。
産業廃棄物をめぐる課題
産業廃棄物は、持続可能な社会を実現する上で、解決が必要な重要な課題の一つです。SDGsでも廃棄物管理に関する目標が設定されていますが、現状にはさまざまな問題点が存在します。
以下では、産業廃棄物の総排出量やリサイクルによる循環について詳しく解説します。
産業廃棄物の総排出量と最終処分場の状況
日本における産業廃棄物の総排出量は非常に多く、環境省によれば、令和2年度には約3億7,382万トンが排出されました。
企業や個人の努力により、前年度比で約1,200万トン(3.1%)減少していますが、それでも膨大な量です。
このうち、53.2%にあたる1億9,902万トンは再利用され、最終処分量は2.4%分の909万トンと減少傾向にあります。
しかし、依然として最終処分量が多く、特に以下の項目は顕著な問題です。
- ・燃え殻(21.5%)
- ・ゴムくず(19.0%)
- ・廃プラスチック類(15.7%)
- ・ガラスくず・コンクリートくず・陶磁器くず(15.4%)
- ・繊維くず(13.1%)
これらの廃棄物を減らし、有効活用するための対策が必要でしょう。
また、「電気・ガス・熱供給・水道業」「農業・林業」「建設業」「パルプ・紙・紙加工品製造業」の4業種が総排出量の8割を占めており、これらの業種での排出量削減が重要な課題となっています。
※参照元:環境省(産業廃棄物の排出及び処理状況等(令和2年度実績)について)
食品ロス
食品ロスは、まだ食べられる食品が廃棄される問題です。
日本では年間523万トンの食品ロスが発生し、一人あたり年間42キロの食品を捨てている計算になります。
世界的にも食品ロスは深刻な問題であり、WWFの報告によれば、生産された食料の40%にあたる25億トンが廃棄されています。
発展途上国では、収穫物の貯蔵が難しく、流通や加工段階で多くが廃棄されます。
一方、先進国では消費者レベルでの廃棄が多く、簡単に食品を捨てる傾向があります。
食品ロスを焼却する際には大量の二酸化炭素が排出されるため、地球温暖化を助長する要因となっています。
各種リサイクルによる循環
産業廃棄物や食品ロスを減らすためには、適切なリサイクルが欠かせません。
日本では、廃棄物のリサイクルを促進するために、個別の法律が制定されています。
例えば、容器包装リサイクル法は、缶やびん、レジ袋などのリサイクルを促す目的で設けられました。
さらに、以下の法律もリサイクル目的で制定されています。
- ・家電リサイクル法
- ・食品リサイクル法
- ・建設リサイクル法
- ・自動車リサイクル法
- ・小型家電リサイクル法
これらの法律により、持続可能な循環型社会の実現が支えられています。
リサイクルによって廃棄物の量を減らし、資源を循環させることで、環境への負荷を軽減し、持続可能な未来を築けるのです。
このように、産業廃棄物をめぐる課題は多岐にわたりますが、リサイクルや適切な廃棄物管理を通じて持続可能な社会を目指す取り組みが求められています。
産業廃棄物のリサイクル
産業廃棄物のリサイクルには、主に3つの方法があります。
- ・マテリアルリサイクル
- ・ケミカルリサイクル
- ・サーマルリサイクル
それぞれのリサイクル方法について詳しく解説します。
マテリアルリサイクル
マテリアルリサイクルは、廃棄物を新しい製品の原料として再利用する方法です。
例えば、回収したアルミ缶を溶かして新しい缶にする、古紙を再生紙にするなどが該当します。
特にプラスチックの場合、日本のプラスチックごみの23%がこの方法でリサイクルされています。
メリットは、国内で資源を循環できる点でしょう。
日本は石油の99%を輸入に頼っているため、石油製品の再利用は資源の有効活用につながります。
ただし、マテリアルリサイクルには大量のエネルギーが必要であり、必ずしも環境に優しいわけではありません。
再生紙の製造過程では、通常の紙の製造過程よりも二酸化炭素の排出量が多くなります。
また、古紙回収のための車両からも排気ガスが出るため、全体的な環境負荷を考える必要があるでしょう。
ケミカルリサイクル
ケミカルリサイクルは、化学的な方法で廃棄物を分解し、新しい資源に変える方法です。
日本で出るプラスチックごみの4%はこの方法で再利用されています。
ケミカルリサイクルは、以下4つのタイプがあります。
- ・油化:プラスチックを化学分解して油にする方法
- ・ガス化:プラスチックを燃やして二酸化炭素と水素を取り出し、他の製品の原料として利用
- ・高炉原料化:プラスチックを燃料として利用し、高温で燃やして製鉄所の原料として利用
- ・モノマー化:ペットボトルをポリエステル原料に戻して新しいボトルを作る方法
ケミカルリサイクルは、プラスチック以外にも廃食用油を石鹸にする、家畜の糞尿からバイオガスを生成するなど、多岐にわたる廃棄物を再利用できます。
サーマルリサイクル
サーマルリサイクルは、廃棄物を燃やして発生する熱を、エネルギーとして利用する方法です。
日本のプラスチックごみの84%はこの方法で処理され、その際に出る熱エネルギーは発電や暖房に利用されています。
メリットは、廃棄物を燃料として使用しているため、石油燃料を節約できることです。
例えば、木造建物の廃材をバイオマス燃料にする、使用済みの天ぷら油からバイオディーゼル燃料を生成し、バスの燃料としても利用するなどがあります。
ただし、廃棄物を燃やす際に発生する二酸化炭素が、地球温暖化の一因となるため、燃焼プロセスを改善し排出ガスの処理を徹底しなければいけません。
SDGsは産業廃棄物処理業において重要な取り組み
いかがでしょうか?産業廃棄物処理業がSDGsに取り組むことの重要性について、おわかりいただけたかと思います。
SDGsの概要や目標、産業廃棄物の課題とリサイクルの重要性についても詳しく解説しました。
循環型社会の構築に向けた、産業廃棄物処理業界の役割をしっかり理解しておきましょう。
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