産業廃棄物の中間処理とは
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廃棄物処理の現場でコンプライアンスが脅かされる場面と対策
本記事では、産業廃棄物処理の現場で求められるコンプライアンスについて解説します。
どの企業でも、コンプライアンス(法令遵守)の徹底が重要な課題となっています。
産業廃棄物処理の現場でも法令をしっかり守ったうえで業務に取り組んでいく必要があります。
ところが、毎月のようにコンプライアンス違反による廃棄物処分業の認可取り消しが発生している状態です。
どのような場面でコンプライアンスが脅かされてしまうのか、どうすれば対策が取れるのかなどを紹介するので、ぜひ参考にしみてください。
< 目次 >
廃棄物処理業界が抱える課題
廃棄物処理業界では、さまざまな課題を抱えています。
その中でも特に大きな課題は、業務の難易度が高いこと、業務量が多いことです。
業務を行うにあたり、各作業は「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」に則って行う必要があります。
廃棄物処理法は、廃棄物の適切な処理だけではなく、排出の抑制やリサイクルなどに関しても細かく定められている法律です。
不適切な処理を行うと環境や人々に悪影響を与えてしまう可能性があるため、適切な対応が求められます。
そのためには法律に関する知識が不可欠で、業務の難易度は高いといえるでしょう。
法改正の頻度はそれほど高くありませんが、改正された場合は新たな知識も身につけていかなければなりません。
また、特に人手不足を感じている業者では業務量の多さも課題となります。
法律に則って業務を行っていこうにも、労働力が足りないために対応が難しく感じているケースもあるでしょう。
こういった問題が重なり、コンプライアンス違反が起こってしまう場合もあります。
仮にコンプライアンス違反が起こると廃棄物処分業許可の取り消しだけではなく、懲役、罰金につながってしまう可能性もあるため、十分に注意が必要です。
廃棄物処理の現場においてコンプライアンスが脅かされる場面
実際に廃棄物処理の現場ではどういった場面でコンプライアンスが脅かされてしまうのでしょうか。
特に注意しておきたいポイントを4つ紹介していきます。
自社の許可範囲を把握していない
自社で何ができるのか、どこまで行っていいのかといった許可範囲は正確に把握しておく必要があります。
例えば、営業が新規顧客を獲得する際、本来であれば自社では行えないような産業廃棄物処理の提案をすることは避けなければなりません。
もしも許可範囲外で契約を結んで業務を行った場合は、排出事業者の法令違反を促す形になってしまいます。
自社の認識が甘かったために取引先に迷惑をかけてしまうことが考えられるので、十分注意が必要です。
排出事業者との契約内容のすり合わせを怠る
自社の許可範囲で業務に取り組んでいくためには、排出事業者と契約内容をしっかりすり合わせておくことが重要です。
これができていないと、自社の許可範囲外となる業務を受注してしまい、コンプライアンス違反につながってしまう恐れがあります。
排出事業者の担当者の中には廃棄物処理法について詳細に理解していない方も少なくなく、意図せずにコンプライアンス違反となる業務を依頼されてしまうことも珍しくありません。
そのため、廃棄物の処理に関して丁寧なヒアリングを行い、お互いに認識のズレを生じることなく契約することが大切です。
契約前の事前調査を怠る
排出事業者から依頼される内容によっては、自社の許可範囲では処理が難しいケースもあります。
こういった場合は、提携している他の処理業者に依頼する形で契約を結ぶこともあるでしょう。
ただ、契約先となる処理業者が許可範囲の業務を行っているのか、コンプライアンスを徹底しているのかは事前に調査し確認する必要があります。
仮に提携先の処理業者がコンプライアンス違反を犯してしまった場合、排出事業者が損害をこうむってしまう恐れがあります。
このようなリスクを抑えるためにも、事前調査のための具体的な調査項目を作成し、入念な調査を行いましょう。
工場の作業員やドライバーの安全基準を確保していない
工場の作業員やドライバーの安全基準を確保できていなかった場合は、コンプライアンス違反につながりやすくなります。
ケガや死亡事故といった大問題を引き起こしてしまう可能性もあるため、十分に注意が必要です。
特に無理なスケジュールや行うべき業務量から見て少ない人員で取り組んでいる場合、安全確保が難しくなってしまうことがあります。
安全な作業の徹底はもちろんのこと、スケジュールや業務量が適正かも考えていかなければなりません。
廃棄物処理の現場でコンプライアンスを徹底する方法
廃棄物処理の現場においてコンプライアンスを徹底していくためには、いくつか効果的な方法があります。
ここでは、情報の一元化、DX、専門業者へのアウトソーシングの3つについて紹介します。
情報の一元化
情報管理は一元化したうえで取り組んでいきましょう。
例えば、拠点ごとに異なる管理方法を取り入れていた場合、それらを引き継ぐ際に手間がかかるだけではなく、ミスも発生しやすくなってしまいます。
情報の行き違いがあれば、それがコンプライアンス違反を引き起こしてしまう可能性もあるので、情報を一元化していくことは非常に重要です。
DX
DXもコンプライアンスの徹底に役立ちます。
例えば、リアルタイムでモニタリニングができるシステムを導入すれば、何かコンプライアンス違反につながりそうな問題が発生した場合、すぐに対処できるようになるでしょう。
また、デジタルツールを活用した業務に移行しておいた方が細かい調整をしやすくなるため、今後廃棄物処理法が改正された際にも迅速に対応しやすくなります。
DXは属人化を改善したり、手作業によるミスの削減にもつながったりするため、総合的な業務改善に向いている方法です。
専門業者へのアウトソーシング
専門業者へのアウトソーシングは、自社の業務負担を大きく減らし、また、コンプライアンス違反のリスクを抑えることができます。
例えば、自社で行う配車手配で問題が起こりやすいと感じている場合は、配車手配をアウトソーシングしてみると良いでしょう。
コンプライアンスのためといっても、すべての業務を自社で完璧に行うのは簡単なことではありません。
自社ですぐに対応するのが難しく、トラブルやコンプライアンス違反につながってしまいそうなポイントがある場合は、アウトソーシングも活用しましょう。
ただ、アウトソーシング先がコンプライアンス違反を犯してしまう可能性もゼロではないため、どこに依頼するかは慎重に検討しなければなりません。
コンプライアンスを意識した廃棄物処理が必要
いかがだったでしょうか。
廃棄物処理業務を行ううえでしっかり把握しておく必要のあるコンプライアンスについて解説しました。
どういった場面でコンプライアンスが脅かされてしまうのか、どのような対策をとれば良いかなどをご理解いただけたかと思います。
いくつか対策はありますが、DXが効果的です。
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