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産業廃棄物を保管するバッカンとは?種類や運搬方法を解説

産業廃棄物はわずかであっても、人体や環境に悪影響を及ぼす可能性があります。
排出事業者は廃棄物を正しく保管し、最終処分が行われるまで見届けなくてはいけません。
産業廃棄物を保管する手段の一つとして、建設現場や解体現場でよく用いられるバッカンと呼ばれるコンテナがあります。

 

そこで本記事では、バッカンの種類や設置のメリット、保管・運搬方法などを紹介します。
産業廃棄物の保管義務を担う方、バッカンの設置を検討している方は、ぜひご覧ください。

 

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バッカンとは

 

産業廃棄物は廃棄物処理法によって、その保管基準が定められています。
例えば、保管場所には囲いや必要事項を明記した掲示板を設置しなくてはいけません。

 

また、廃棄物の飛散や悪臭・害虫の発生を未然に防ぐため、適宜対策が求められます。
このような基準を満たすために用いられている保管手段がコンテナです。

 

コンテナには、フレコンバッグ(フレキシブルコンテナバッグ)とバッカン(着脱式コンテナ)の2種類があります。
フレコンバッグとは、布や樹脂製フィルムなどの柔軟性のある素材でできた袋のことです。

 

上部にベルトがついており、フォークリフトやクレーンで吊り上げて移動させます。
主に燃え殻や紙くず・木くず・繊維くずなど、粒状の産業廃棄物の保管・運搬に用いられます。

 

一方で、バッカンとは底面が四角形の鉄製の容器のことです。
強度が高いため固定して積み重ねたり、専用の装置がついた車両に直接装着して運ぶことが可能です。

 

腐食しない産業廃棄物の一時的な保管や収集・運搬に活用されています。
特に、金属くずやがれき類・コンクリートくずなど、大規模な廃棄物が発生しやすい建設現場や解体現場で使われるケースが多いです。

 

金属くずの種類や処理方法・費用を解説した記事もありますので、ぜひご参照ください。

【関連記事】
産業廃棄物の金属くずとは?種類や処理方法・費用を解説

 

バッカンの種類

 

バッカンにはさまざまなサイズがあり、底開き式や強化骨入りのものも存在するなど、バリエーションが豊富です。
バッカンのサイズは、高さ1m・横1m・縦1mの立米(立法メートル)という単位を用いて容積を表します。

 

通常、産業廃棄物の収集運搬・処分業者では、1〜13立米程度のバッカンに対応しています。
産業廃棄物の排出量は現場によって異なるものの、1〜8立米程度のバッカンを用意すれば、一般的な事業者で生じる量の産業廃棄物の保管に対応できるでしょう。
実際の現場では、1〜3立米のバッカンを利用しているケースが多いです。

 

2〜3立米以下のバッカンは、設置スペースが狭い現場でも使い勝手が良いサイズと言われています。
反対に、産業廃棄物の排出量が多い現場では、4立米以上のサイズが推奨されます。

 

また、重量がある廃棄物を取り扱う際には、6〜8立米のバッカンを使えば余裕が生まれるでしょう。
さらに大規模な産業廃棄物の保管・回収を行う場合は、13立米以上のサイズのバッカンの検討をおすすめします。
中には30立米以上のバッカンまで存在します。

 

バッカンを設置する際は、産業廃棄物の排出量や性質、事業所や現場のスペースを考慮して、最適なサイズを選びましょう。
最適な容量のバッカンを設置すれば、効率的な保管・運搬が可能です。

 

反対に、小さすぎるバッカンでは何度も収集・運搬を繰り返して非効率になり、大きすぎるバッカンでは設置面積をとってしまい作業がしにくくなる可能性があります。

 

バッカンで保管できる産業廃棄物

 

バッカンは現場に一時的に設置され、生じた廃棄物を中に入れて保管し、満杯になったら車両に装着して処理施設へと運びます。
廃棄物の保管から収集・運搬までを一貫して行えるという特徴があり、大量の廃棄物が生じることを想定して作られているため、サイズも大きいです。

 

そのため、設置スペースや収集・運搬の効率を考慮すると、バッカンは一度に大量に排出され、一定の重量を持つ産業廃棄物の保管に向いています。
排出量が少ない場合、満杯になるまで時間がかかり、保管時間が長引いたり運搬の効率が悪くなったりします。

 

また、廃棄物の重量が軽いと車で安定して運びにくく、重すぎると走行が難しく危険性が高くなります。
バッカンでよく保管される産業廃棄物の例として、金属くずや木くず・石膏ボード・がれき類・廃プラスチック・コンクリートのような混合廃棄物など、建築廃材や解体廃材が挙げられます。

 

ただし、バッカンは鉄製であるため腐食に弱いというデメリットをもちます。
そのため、液体や酸性の物質・物体を入れてはいけません。

 

中和処理されていないものや化学物質が付着した物品、油脂類・薬品・化成品などが入っていた容器、液体または泥状の廃棄物を入れないように注意しましょう。

【関連記事】

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バッカンを設置するメリット

 

バッカンを設置するメリットは、大量の産業廃棄物を一箇所で保管し、一度に収集・運搬できる点です。
保管から運搬まで一貫して行えるため、管理作業の効率が向上します。

 

また、鉄製のバッカンは頑丈で、廃棄物の飛散や流出・いたずらを防ぎやすいです。
さらに、産業廃棄物をそのまま積み上げておくよりも見栄えが良く、景観の保護にも繋がります。
様々なサイズ展開で、それぞれの事業所にあったバッカンを選びやすいのもポイントです。

 

バッカンでの保管ルール

 

バッカンを用いて産業廃棄物を保管する際は、廃棄物処理法で規定される保管基準を守らなくてはなりません。
保管基準は以下のように定められています。

 

    【産業廃棄物の保管基準】

  • ・囲いの設置
  • ・産業廃棄物保管の旨と必要事項を記載した掲示板の設置
  • ・飛散・流出・地下浸透・悪臭発散の防止対策
  • ・公共水域や地下水の汚染対策
  • ・害虫の発生予防対策
  • ・屋外で容器なしで保管する際の積み上げ高さ制限

 

特に、バッカンは上部が剥き出しの場合が多いため、廃棄物の飛散や流出・悪臭や雨水の侵入、外部からの投げ入れや有価物の盗難を防ぐ対策を講じる必要があります。
設置場所を検討したり、防水シートで天井部分をカバーするなどの工夫が欠かせません。

 

バッカンの運搬方法

 

バッカンの運搬方法はサイズによって異なります。

 

一般的に、1〜3立米のバッカンは車両の荷台に積み載せて運ぶケースが多いです。
積載する際には、フォークリフトやクレーンを使用します。

 

一方で、大容量のバッカンは、専用のアーム着脱装置が取り付けられたコンテナシステム車両で運びます。
車両の後部から伸びるアームのツメにバッカンを引っ掛けて、車両の背中に引き上げる形で載せます。

 

バッカンを背負う際は一片が地面に接地するため、バッカン下部にはコマ(ローラー)がつけられており、スムーズな上げ下げが可能です。

 

バッカンで産業廃棄物を安全・効率的に管理しよう

 

いかがでしたでしょうか。
今回は産業廃棄物の保管手段の一つであるバッカンの種類や設置のメリット、保管ルールや運搬方法などを紹介しました。

 

産業廃棄物は排出事業者が責任を持って保管し、適切な処分が行われるよう管理する義務があります。
廃棄物管理作業の効率化や安全化のためにも、バッカンの積極的な設置が推奨されます。

 

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