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産業廃棄物の自社運搬について解説
産業廃棄物を自社で運搬する際に、自社運搬の細かいルールがわからず頭を悩ませている方は多いのではないでしょうか。
産業廃棄物を自社運搬する場合、いくつか注意点があります。
この注意点を守らないと罰則の対象になってしまうため、最後まで目を通しておきましょう。
本記事では、誤った運用で罰則の対象にならないように、産業廃棄物を自社運搬する際の注意点や疑問点について紹介します。
< 目次 >
産業廃棄物の自社運搬とは
処理するときは、産業廃棄物処理業者へ委託することの多い産業廃棄物ですが、排出事業者が自ら運搬する「自社運搬」も可能です。
ここからは、自社運搬について解説していきます。
- ・自社運搬に該当するケース
- ・許可は不要
それぞれ確認していきましょう。
自社運搬に該当するケース
以下のような場合、自社運搬に該当します。
- ・自社から産業廃棄物処理委託業者まで運ぶ
- ・自社間で産業廃棄物を移動する
- ・元請先の現場から自社まで運ぶ
- ・元請先の現場から委託先の中間処分場まで運ぶ
元請先の現場にあったものでも、第三者が置いて行ったものは自社運搬できないので、許可が必要です。
許可は不要
自社運搬時に許可証は不要です。
通常、産業廃棄物を運搬する場合「産業廃棄物収集運搬業」の許可証が必要ですが、自社運搬時は該当しないため、必要ありません。
ただし、第三者から運搬を依頼される場合は「産業廃棄物収集運搬業」の許可証が必要です。
産業廃棄物を自社運搬する際の注意点
産業廃棄物を自社運搬することはできますが、いくつか注意点があります。
以下、3つの項目をご確認ください。
- ・車両の表示義務
- ・書面の携帯
- ・収集・運搬基準の遵守
それぞれ解説していきます。
車両の表示義務
産業廃棄物を自社運搬する際、以下2つの情報の表示が義務付けられています。
- ・産業廃棄物収集運搬車
- ・会社名
それぞれ車体の両側に表示し、わかりやすい大きさと色で表示しましょう。
書面の携帯
運搬時、産業廃棄物の情報が記載された書面の携帯が必要です。
必要な情報は以下の通りです。
- ・氏名または名称及び住所
- ・運搬する産業廃棄物の種類及び量
- ・運搬する産業廃棄物を積載した日
- ・積載した事業場の名称、所在地及び連絡先
- ・運搬先の事業場の名称、所在地及び連絡先
書面は紙媒体ではなく、スマホやタブレットなど電子機器でも問題ありません。
収集・運搬基準の遵守
運搬時は、以下の基準を遵守しましょう。
- ・廃棄物が飛散、流出しないようにする
- ・悪臭、騒音または振動によって保全上の支障が生じないようにする
- ・船舶を用いて運搬する場合も表示義務・書面の携帯を忘れないこと
- ・アスベストは他の物と分けて運搬する
これは、生活環境の保全上問題が生じないように定義されているため、遵守しましょう。
自社運搬の基準が守れていない場合
基準が守れていない場合、行政から改善命令を受けます。
何度も違反行為を繰り返してしまうと刑罰を受けたり、会社名が公表されてしまったりするので、注意しましょう。
産業廃棄物を自社運搬する場合のマニフェストの取り扱い
産業廃棄物を自社運搬する場合のマニフェストの有無について紹介します。
- ・マニフェストが必要な場合
- ・マニフェストが不要な場合
それぞれ解説していきます。
マニフェストが必要な場合
ほかの処理場で処理する場合、マニフェストが必要です。
マニフェストが不要な場合
自社の処理場を使って処理を行う場合には、マニフェストは不要です。
産業廃棄物の自社運搬に関するよくある質問
Q,県をまたぐ場合
自社運搬の基準を満たしていれば、県をまたいでも問題ありません。
しかし、自社運搬の基準を満たしていない場合、収集場所の許可証と積み下ろし場所の許可証が必要です。
Q,現場から、処分場ではなく事務所へ産業廃棄物を持ち帰る場合の車両の表示義務や携帯書類
産業廃棄物収集運搬車と会社名の表示義務と産業廃棄物の情報が記載された書面の携帯が必要です。
しかし、現場にあっても発注者が出した廃棄物の場合、自社運搬に当てはまらないので、産業廃棄物収集運搬業許可証が必要になります。
Q,自動二輪車または原動機付自転車の場合の車両の表示義務について
自動二輪車や原動機付自転車も車両の表示義務は必要です。車両の両側に見えやすいように表示しましょう。
Q,レンタカーを使用しても問題ないのか
排出事業者自らがレンタカーを運転する場合であれば問題ありません。しかし、自治体によってはレンタカーの使用が認められない場合もあるため、事前に確認が必要です。
産業廃棄物を自社運搬するにはさまざまな注意が必要
今回は産業廃棄物の自社運搬について解説してきました。
自社運搬が可能な場合であっても車両の表示義務や、産業廃棄物の情報が記載された書面の携帯義務など、注意点がたくさんあります。
管理するだけでも相当なコストがかかってしまうため、管理の簡素化は排出事業者の課題といえるでしょう。
なお、廃棄物処理・リサイクル業者も自社運搬を行う際に管理面での負担があります。
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