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エレン・マッカーサー財団とは?サーキュラーエコノミーへの取り組みについて解説

2023/10/18

2024/9/3

  • SDGs
  • サーキュラーエコノミー
  • 循環型社会

「サーキュラーエコノミー」という言葉をご存じですか?
サーキュラーエコノミーは、資源を循環させ、廃棄物を可能な限り発生させないための経済活動です。

 

この、サーキュラーエコノミーの推進を目的として設立されたのが「エレン・マッカーサー財団」です。

 

本記事では、エレン・マッカーサー財団の概要と、具体的な活動内容を紹介します。
自社内で環境活動の取り組みを検討されている担当者様は、ぜひ最後までご覧ください。

 

企業のサーキュラーエコノミー・資源循環の取り組みをDXでサポート

エレン・マッカーサー財団とは

エレン・マッカーサー財団は、サーキュラーエコノミーの推進を目的として立ち上げられた団体です。

本拠地は、財団の創設者であるエレン・マッカーサー氏の出身国、イギリスに所在します。

 

2010年に設立されて以来、政府や企業、研究機関などと連携して、サーキュラーエコノミーに関する研究や情報発信を続けてきました。

財団独自のネットワークを構築し、世界各国に対してサーキュラーエコノミーの重要性を啓発しながら、資源の消費を抑え、廃棄を減らす新しい経済活動への移行を支援しています。

 

エレン・マッカーサー財団の活動は、環境問題の解決に有効なアプローチとして、世界中から注目を集めています。

財団創設者「エレン・マッカーサー」とは

エレン・マッカーサー氏は、イギリス出身の40代女性で、元プロ セーリング選手です。

 

2005年に、単独での世界一周航海を成し遂げたうえに、当時の最速記録を樹立し、国際的な注目を集めるようになりました。

セーリング選手として海上で活動するなか、世界の資源には限りがあることに気づくとともに、その資源に依存している社会に対し、危機感を抱くようになります。

 

その後、資源や環境の問題を解決すべく、セーリングを引退し、自身で経済モデルの学習を始めたのち、「エレン・マッカーサー財団」を設立するに至ります。

エレン・マッカーサー財団が進めるサーキュラーエコノミーとは

サーキュラーエコノミーとは、資源を循環させることで廃棄を防ぎ、資源の投入量と消費量の抑制を目的とする経済活動です。

 

エレン・マッカーサー財団では、「サーキュラーエコノミーの3原則」を定め、問題解決のための具体的な取り組みを推進しています。

 

以下では、エレン・マッカーサー財団が定めるサーキュラーエコノミーの3原則に沿って、サーキュラーエコノミーのグランドデザイン(全体構想)を解説します。

 

関連記事:サーキュラーエコノミーとは?

 

原則①廃棄や汚染を発生させない

サーキュラーエコノミーで目指すべき一つ目の原則が、「廃棄や汚染を発生させない」です。

 

従来の経済システムでは、多くの資源をリサイクルすることなく、一方的に廃棄してきました。
廃棄物は焼却されるか埋め立て処分されていますが、その際には、大量の有害物質を排出します。
この有害物質は、環境を汚染するだけでなく、人体にも甚大な被害をもたらすのは明らかです。

 

サーキュラーエコノミーは、こうした従来のシステムを根本から見直し、資源分離とリサイクルにより、製品の設計段階から廃棄物や汚染を出さない体制づくりを提唱しています。
リサイクルを前提にした製品は、消費者が使い終わったあとも資源として再利用されるため、廃棄という概念自体がなくなるのです。

 

廃棄物が減れば、環境にかかる負荷が軽減されるのは間違いありません。

 

関連記事:リニアエコノミーとは?サーキュラーエコノミーとの違いも解説

 

原則②製品・素材を高い価値のまま循環させる

二つ目の原則は、「製品・素材を高い価値のまま循環させる」です。
製品の再利用や修理、改修をすることで、今あるものを最大限に活用し、新たな資源の消費を抑える考え方です。

 

この考え方を実現するには、あらかじめ修理やメンテナンスをしやすい製品を設計し、長期間、価値を損なわずに利用しつづけられるのが前提となります。

 

また、修理が不可能で使用できなくなった製品についても、素材としてリサイクルし、循環を保持できるような工夫を呼びかけています。

原則➂自然を再生させる

3原則の三つ目では「自然を再生させる」を掲げています。

 

自然は、時間の経過とともに再生していきます。
しかし、資源の大量消費を前提とした従来の経済システムでは、自然の再生が間に合わず、資源が減り、生態系にも悪影響を及ぼしかねません。

 

サーキュラーエコノミーでは、資源を廃棄せずに循環させることで、自然が本来もっている再生力をサポートし、環境の保持と改善を図ります。

エレン・マッカーサー財団が主催する「サーキュラーエコノミー100(CE100)」とは

サーキュラーエコノミー100(以下、CE100)は、2013年にエレン・マッカーサー財団が立ち上げた、サーキュラーエコノミーを推進するためのプラットフォームです。

 

この項では、CE100の特徴や参加するメリット、参加企業を紹介します。

 

サーキュラーエコノミー100の特徴

CE100は、参加企業同士の連携強化や情報共有、サーキュラーエコノミーを社会に導入する前の実践の場として活用されています。
企業や公共団体、大学など、さまざまな組織が参加しており、サーキュラーエコノミーに関する技術の発展を目指した取り組みが行われています。

 

CE100の会員になるには、Web上で参加の申し込み手続きをしたうえで、審査を受けなければなりません。
申請フォームには、10個の質問が用意されており、その回答次第で、参加の合否が判定されます。

 

サーキュラーエコノミー100に参加するメリット

CE100に参加するメリットは、同プラットフォーム参加企業と共同し、具体的な課題に取り組む、通称「co.project」に参加できることです。

 

co.projectでは、CE100内で蓄積された知見やリソースを活用できるため、新たなビジネスモデルの開発に伴うリスクを分散し、調査にかかるコストの軽減が望めます。

 

CE100は、サーキュラーエコノミー推進を共通目標とする有志に新たな成長をもたらす場です。
環境改善に取り組む団体にとって、これまで知り得なかった知識や発見が得られる、またとない機会になるでしょう。

サーキュラーエコノミー100の参加企業

CE100には現在、世界中から300社以上の企業が参加しています。
日本で初めて参加したのは、世界的なタイヤメーカーとして知られる「株式会社ブリヂストン」です。
ほかにも、株式会社三菱ケミカルホールディングスや株式会社ミツカンなど、有名企業が名を連ねています。

 

以下の表には、CE100に参加する企業の一部を抜粋してまとめました。

 

CE100に参加する企業(一部)

企業の拠点

参加企業

日本

  • 株式会社ブリヂストン
  • 株式会社ミツカン
  • 芙蓉総合リース株式会社
  • 東洋製罐グループホールディングス株式会社

海外

  • 3M
  • ABInBev
  • Ahrend
  • Aptar group
  • Lego
  • HP

World’s Leading Circular Economy Network

202311月時点

 

サーキュラーエコノミーの考え方は、世界中で広がりをみせており、今後、参加企業が増える可能性は大いに考えられます。

エレン・マッカーサー財団はサーキュラーエコノミーを推進する団体

いかがでしたでしょうか?

 

エレン・マッカーサー財団は、サーキュラーエコノミーの考え方を推進するために設立された団体です。

政府や企業、研究機関と連携し、サーキュラーエコノミーに関する研究や情報発信を継続的に行っています。

 

近年、SDGsが注目されていますが、エレン・マッカーサー財団が推進するサーキュラーエコノミーこそ率先して取り組むべき施策といえるでしょう。

 

JEMSでは、企業のサーキュラーエコノミーへの取り組みに貢献するソリューションを提供しています。

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ぜひ、Circular Naviをご活用ください。

 

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