【環境年表】環境問題の歴史に迫れ(2018年~2021年) Part6!
2022/10/14
2024/1/9
- 脱炭素
- 環境年表
- 廃棄物処理
環境問題に対する日本と世界の動きを歴史から紐解けるよう、年表にまとめました。1945年~2021年までの年表を、6回に分けてお届けします。
2018年~2021年 環境と経済の共生に向けた施策
これまでの環境問題への対策に“経済性”という視点も取り入れられ、環境問題の解決ともに経済成長を推進するという方向性が取られるようになりました。また、海洋プラスチック問題への関心が高まり、プラスチックに関する新たな法令も制定されました。
年 |
環境年表(日本) |
環境年表(世界) |
2018年 |
(第五次)環境基本計画 策定 SDGsの考え方も活用しながら、分野横断的な6つの「重点戦略」を設定し、環境政策による経済社会システム、ライフスタイル、技術などあらゆる観点からのイノベーションの創出や経済・社会的課題の「同時解決」を実現し、将来にわたって質の高い生活をもたらす「新たな成長」につなげていく。また、地域の活力を最大限に発揮する「地域循環共生圏」の考え方を新たに提唱し、各地域が自立・分散型の社会を形成しつつ、地域の特性に応じて資源を補完し、支え合う取り組みを推進していくこととしている。
(第四次)循環型社会形成推進基本計画を閣議決定 新たな計画では、環境的側面、経済的側面および社会的側面の統合的向上を掲げた上で、重要な方向性として、 ①地域循環共生圏形成による地域活性化 ②ライフサイクル全体での徹底的な資源循環 ③適正処理の更なる推進と環境再生 などを掲げ、その実現に向けて概ね2025年までに国が講ずべき施策を明示。
気候変動適応法 公布 適応策の実効性を高め、多様な関係者の連携・協働により取り組みを進めるため「気候変動適応法」を公布。
気候変動適応計画を閣議決定 気候変動適応法第7条に基づき、気候変動適応に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、「気候変動適応計画」を策定。 |
気候変動枠組条約 第24回締結国会議(COP24) パリ協定締約国会議(CMA1-3) 京都議定書第14回締約国会合 ポーランドのカトヴィツェにて開催。
生物多様性条約 第14回締約国会議(COP14)
IPCC 1.5℃特別報告書(10月) COP21 における国連気候変動枠組条約(UNFCCC)からの要請に基づき、1.5℃の気温上昇にかかる影響や関連する地球全体での温室効果ガス排出経路に関する「1.5℃特別報告書」を公表。 |
2019年 |
パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略を閣議決定 今世紀後半のできるだけ早期に脱炭素社会を実現し、2050年80%減に大胆に取り組むとした。
プラスチック資源循環戦略 策定 第四次循環型社会形成推進基本計画を踏まえ、資源・廃棄物制約、海洋プラスチックごみ問題、地球温暖化、アジア各国による廃棄物の輸入規制等の幅広い課題に対応するため、3R+Renewable(再生可能資源への代替)を基本原則としたプラスチックの資源循環を総合的に推進するための戦略「プラスチック資源循環戦略」を策定。
海洋プラスチックごみ対策アクションプラン 策定 海洋プラスチックごみ対策も成長の誘因であり、経済活動の制約ではなくイノベーションが求められているという考えの下、プラスチックを有効利用することを前提としつつ、新たな汚染を生み出さない世界の実現を目指し、以下のような取り組みを徹底する。 ① 廃棄物処理制度によるプラスチックごみの回収・適正処理をこれまで以上に徹底するとともに、ポイ捨て・不法投棄および非意図的な海洋流出の防止を進める。 ②環境中に排出されたごみについては、まず陸域での回収に取り組む。さらに、一旦海洋に流出したプラスチックごみについても回収に取り組む。 ③海洋流出しても影響の少ない素材(海洋生分解性プラスチック、紙等)の開発やこうした素材への転換など、イノベーションを促進していく。 ④我が国の廃棄物の適正処理等に関する知見・経験・技術等を活かし、途上国等における海洋プラスチックごみの効果的な流出防止に貢献していく。 ⑤世界的に海洋プラスチック対策を進めていくための基盤となるものとして、海洋プラスチックごみの実態把握や科学的知見の充実にも取り組む。
食品ロスの削減の推進に関する法律 制定 食品ロスの削減に関し、国、地方公共団体等の責務等を明らかにするとともに、基本方針の策定その他食品ロスの削減に関する施策の基本となる事項を定めること等により、食品ロスの削減を総合的に推進することを目的とした法律。 |
気候変動枠組条約 第25回締結国会議(COP25) パリ協定締約国会議(CMA2) 京都議定書第15回締約国会合 スペインのマドリードにて開催。
IPCC 海洋・雪氷圏特別報告書 IPCCは、2016年4月にケニヤ・ナイロビで開催された第43回IPCC総会において、「変化する気候下での海洋・雪氷圏に関するIPCC特別報告書」(海洋・雪氷圏特別報告書:SROCC)を作成することを決定。 海洋・雪氷圏に関する過去・現在・将来の変化、ならびに高山地域、極域、沿岸域、低平な島嶼および外洋における影響(海面水位の上昇、極端現象及び急激な現象等)に関する新たな科学的文献を評価することを目的として作成された。 |
2020年 |
首相表明演説「脱炭素社会の実現」 菅義偉首相が2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、つまり、2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを宣言。
環境省レッドリスト2020 公表 絶滅危惧種数3,772種。 |
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2021年 |
「日本のNDC(国が決定する貢献)」の地球温暖化対策推進本部決定 2015年に提出した約束草案(INDC)で示した現在の地球温暖化対策の水準から、更なる削減努力の追求に向けた検討を開始することを表明。
プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(プラスチック資源循環促進法) 制定 プラスチック資源循環等の取り組み(3R+Renewable)を促進することで、生活環境の保全と、経済の発展に寄与することを目的とした法律。 |
気候変動枠組条約 第26回締結国会議(COP26) パリ協定締約国会議(CMA3) 京都議定書第16回締約国会合 イギリスのグラスゴーにて開催。
自然関連財務開示タスクフォース(TNFD) 開始 企業や金融機関が自然への依存度や影響を評価、管理、報告するための枠組みを検討するため設立。 |
こちらの年表もご覧ください。
【環境年表】環境問題の歴史に迫れ(1945年~1977年) Part1!
【環境年表】環境問題の歴史に迫れ(1979年~1992年) Part2!
【環境年表】環境問題の歴史に迫れ(1993年~1999年) Part3!
【環境年表】環境問題の歴史に迫れ(2000年~2010年) Part4!
【環境年表】環境問題の歴史に迫れ(2011年~2017年) Part5!
JEMSでは、サーキュラーエコノミーの実現に向け資源循環の価値証明サービス「Circular Navi」の提供を2022年4月に開始しました。
すでにプラスチックの資源循環をはじめとした実証実験などにご活用いただいています。
その他にも、一般廃棄物を削減するための回収量の見える化などさまざまな取り組みを支援しています。
今後も約30年にわたる廃棄物管理の分野で培ったノウハウとパートナーシップをもとに再生材や再生材利用製品の価値を最大化することで企業の循環型ビジネスの構築を支援していきます。
サーキュラーエコノミーに主体的に取り組もうとお考えの皆様のパートナーであり続けることを目指しています。