【環境年表】環境問題の歴史に迫れ(2011年~2017年) Part5!
2022/10/11
2022/10/14
- 脱炭素
- 環境年表
- 廃棄物処理
環境問題に対する日本と世界の動きを歴史から紐解けるよう、年表にまとめました。1945年~2021年までの年表を、6回に分けてお届けします。
2011年~2017年 震災をきっかけとしたエネルギー施策の見直しと気候変動への対応
これまでの取られていたエネルギー施策が震災により見直され、再生可能エネルギーに注目が集まりました。また、気候変動に対する危機感は世界共通の課題であり、国際会議が幾度となく開催されました。
年 |
環境年表(日本) |
環境年表(世界) |
2011年 |
東日本大震災発生 ・原子力発電所の損壊による放射性物質の拡散 ・計画停電の実施 ・災害廃棄物の大量排出
電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(FIT法) 制定 固定価格買取制度導入決定(開始は2012年から)。 |
気候変動枠組条約 第17回締結国会議(COP17) 京都議定書第7回締約国会合 南アフリカのターバンにて開催。
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2012年 |
水質汚濁防止法 改正 有害物質貯蔵指定施設を新たに届け出の対象とする改正。
使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律(小型家電リサイクル法) 制定 小型の家電機器等の廃棄物の排出抑制、分別収集、リサイクル等に関する法律。
都市の低炭素化の促進に関する法律(エコまち法) 制定 社会経済活動その他の活動に伴って発生する二酸化炭素の相当部分が都市において発生しているものであることに鑑み、都市の低炭素化の促進に関する基本的な方針の策定について定めるとともに、市町村による低炭素まちづくり計画の作成及びこれに基づく特別の措置並びに低炭素建築物の普及の推進のための措置を講ずることにより都市の低炭素化の促進を図り、都市の健全な発展に寄与することを目的とする法律。
(第四次) 環境基本計画 策定 環境政策に大きな変化とこれまで以上に多くの役割が求められている状況や、他の政策分野との連携が求められている今日の状況を踏まえ、また、「リオ+20」なども視野に入れつつ、今日の環境に関する状況・課題を幅広くかつ的確に把握し、長期的な視野に立って我が国の環境政策の方向性を提示。
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気候変動枠組条約 第18回締結国会議(COP18) 京都議定書第8回締約国会合 カタールのドーハにて開催。
生物多様性条約 カルタヘナ議定書第6回締約国会合
国連:持続可能な開発会議(リオ+20) 地球サミットから20年経った2012年に、ブラジルのリオデジャネイロで開催されたフォローアップ会議。環境保全や持続可能な開発についての基礎的な考え方と発展を踏まえ、過去20年間での変化も交えて各国の代表者が集まり、話し合いを行った。 |
2013年 |
地球温暖化対策の推進に関する法律 改正 温室効果ガスの種類の追加(三ふっ化窒素)。
環境影響評価法 改正 放射性物質に係る適用除外規定(52条1項)を削除する改正。
フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律(フロン排出抑制法) 制定 フロン類の製造から廃棄までライフサイクル全般に対して包括的な対策を実施するための法律。
(第三次)循環型社会形成推進基本計画を閣議決定 今回の計画では、最終処分量の削減など、これまで進展した廃棄物の量に着目した施策に加え、循環の質にも着目し、リサイクルに比べ取り組みが遅れているリデュース・リユースの取組強化、有用金属の回収、安心・安全の取組強化、3R国際協力の推進などが新たな政策の柱となった。 |
水銀に関する水俣条約 採択 水銀の一次採掘から貿易、水銀添加製品や製造工程での水銀利用、大気への排出や水・土壌への放出、水銀廃棄物に至るまで、水銀が人の健康や環境に与えるリスクを低減するための包括的な規制を定める条約。2013年に熊本県で開催された外交会議で、採択・署名が行われ、2017年に発効。
気候変動枠組条約 第19回締結国会議(COP19) 京都議定書第9回締約国会合 ポーランドのワルシャワにて開催。 京都議定書に代わる2020年以降の新たな枠組みづくりに向けた議論。 |
2014年 |
水循環基本法 制定 水循環に関する施策について、基本理念を定め、国、地方公共団体、事業者および国民の責務を明らかにし、ならびに水循環に関する基本的な計画の策定その他水循環に関する施策の基本となる事項を定めるとともに、水循環政策本部を設置することにより、水循環に関する施策を総合的かつ一体的に推進し、もって健全な水循環を維持し、又は回復させ、我が国の経済社会の健全な発展および国民生活の安定向上に寄与することを目的とする法律。
鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律 改正 法律名を「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律」から、「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」に改め、目的に鳥獣の管理を追加。これに伴い、鳥獣の「保護」および「管理」の定義が規定された。
土壌汚染対策法 改正 土壌溶出量および地下水基準を変更。
二国間クレジット制度 署名 途上国と協力して温室効果ガスの削減に取り組み、削減の成果を両国で分け合う制度。日本は、2022年までにモンゴル・バングラデシュ・エチオピア・ケニア・モルディブ・ベトナム・ラオス・インドネシア・コスタリカ・パラオ・カンボジア・メキシコ・サウジアラビア・チリ・ミャンマー・タイ・フィリピンと署名済み。 |
気候変動に関する政府間パネル(IPCC) 第5次評価報告書統合報告書
気候変動枠組条約 第20回締結国会議(COP20) 京都議定書第10回締約国会合 ペルーのリマにて開催。
生物多様性条約 カルタヘナ議定書第7回締約国会合 |
2015年 |
需給見通し(エネルギーミックス) 策定 第4次エネルギー基本計画の方針に基づき、総合資源エネルギー調査会の長期エネルギー需給見通し小委員会における取りまとめを踏まえ、「長期エネルギー需給見通し(エネルギーミックス)」を策定。
日本の約束草案 策定(温対本部決定) 日本の中期削減目標として、2030年GHG26%削減を決定。 |
気候変動枠組条約 第21回締結国会議(COP21) 京都議定書第11回締約国会合 フランスのパリにて開催。 パリ協定 採択 2020年以降の温室効果ガス排出削減等のための新たな国際的枠組みとなる協定。COP21内で採択され、2016年に発効された。
SDGs(持続可能な開発目標) 採択 「持続可能な開発のための2030アジェンダ」(複数の課題の統合的解決を目指すSDGsを含む)を国連総会で採択。 |
2016年 |
電力自由化開始 2016年(平成28年)4月1日以降は、電気の小売業への参入が全面自由化され、家庭や商店も含む全ての消費者が、電力会社や料金メニューを自由に選択できるようになった。
地球温暖化対策計画 策定 地球温暖化対策の総合的かつ計画的な推進を図るため、政府が地球温暖化対策推進法に基づいて策定する、我が国唯一の地球温暖化に関する総合計画。2030年GHG26%削減とともに、2050年GHG80%削減が盛り込まれた。 持続可能な開発目標 (SDGs) 実施指針 決定 SDGsに係る施策の実施について、全国務大臣を構成員とする「持続可能な開発目標 (SDGs) 推進本部」を設置し、「持続可能な開発目標 (SDGs) 実施指針」を決定。 |
気候変動枠組条約 第22回締結国会議(COP22) パリ協定締約国会議(CMA1) 京都議定書第12回締約国会合 モロッコのマラケシュにて開催。
生物多様性条約 カルタヘナ議定書第8回締約国会合 |
2017年 |
土壌汚染対策法 改正 土壌汚染状況調査の実施対象となる土地の拡大などを改正。 |
気候変動枠組条約 第23回締結国会議(COP23) パリ協定締約国会議(CMA1-2) 京都議定書第13回締約国会合 ドイツのボンにて開催。 財務に影響のある気候関連情報の開示を推奨する報告書 TCFDが公表 G20の要請を受け、金融安定理事会(FSB)により、気候関連の情報開示および金融機関の対応をどのように行うかを検討するため、マイケル・ブルームバーグ氏を委員長としてTCFDが設立された。企業が気候変動のリスク・機会を認識し経営戦略に織り込むことは、ESG投融資を行う機関投資家・金融機関が重視しており、TCFDの報告書においても、その重要性を言及。 |
こちらの年表もご覧ください。
【環境年表】環境問題の歴史に迫れ(1945年~1977年) Part1!
【環境年表】環境問題の歴史に迫れ(1979年~1992年) Part2!
【環境年表】環境問題の歴史に迫れ(1993年~1999年) Part3!