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【環境年表】環境問題の歴史に迫れ(1979年~1992年) Part2!

2022/09/30

2024/1/9

  • 脱炭素
  • 環境年表
  • 廃棄物処理

 環境問題に対する日本と世界の動きを歴史から紐解けるよう、年表にまとめました。1945年~2021年までの年表を、6回に分けてお届けします。

1979年~1992年世界的な地球環境との共生に向けた施策

 世界的な地球環境への注目の高まりから、様々な国際的な条約が採択された年代です。

国内においてもその流れを汲み、オゾン層保護に関する法令が制定されました。

環境年表(日本)

環境年表(世界)

1979年

省エネ法 制定

省エネを管理するための有資格者としてエネルギー管理士が制定された。

 

長距離越境大気汚染条約 採択

国連欧州経済委員会による、歴史上初の越境大気汚染に関する国際条約。環境大臣会合に採択された枠組み条約であり、ヨーロッパ諸国を中心に、米国、カナダなど49カ国が加盟(日本は加盟していない)。

ボン条約 採択
陸上、海洋、空中で渡りを行い国家間の領域の移動をする野生動物種の保護を目的とした政府間条約。ドイツのボンで開催された国際会議で採択(日本は加盟していない)。

1980年

 

南極の海洋生物資源の保存に関する条約 採択

南極収束線以南の魚類、軟体動物、オキアミなどの資源量を配慮し保存するための条約。本条約で適用される区域の採捕に係る活動について、捕獲量、捕獲区域、捕獲方法などが制限された。

1982年

 

国連環境会議 開催
国連人間環境会議(ストックホルム会議)から10年後の1982年5月にナイロビ(ケニア)で開催された国連環境計画(UNEP)管理理事会特別会合。「ナイロビ宣言」などが採択された。

 

ナイロビ宣言

国連環境計画(UNEP)ナイロビ会議において採択された、10項目からなる宣言。国連人間環境会議(ストックホルム会議)の10年後という節目にあたって、地球的規模で環境の悪化が進んでいることについての重大な懸念が表明され、それを保全し改善するための努力を推進すべきであるとされた。

1984年

湖沼水質保全特別処置法 制定

水質汚濁の著しい湖沼の水質の保全を図るため、環境基準の確保が緊急に必要な湖沼について、その水質保全を推進するための計画を策定し、また、水質汚濁の原因となる施設に必要な規制などの特別な措置を講じ、国民の健康で文化的な生活を確保することを目的とし、制定された。
※湖沼は、水域が閉鎖的であるため、水質汚濁がおこりやすく、また、水質汚濁が起こってしまうと、元の状態に戻りにくい性質を持っている。そのため、水質汚濁防止法だけでは、水質保全施策が十分ではなかったため、特別処置法制定を制定するに至った。

 

1985年

 

ウィーン条約 採択

オゾン層の変化による悪影響から人の健康および環境を保護することを目的とする条約。オーストリアのウィーンで開催された国際会議で採択。

 

ヘルシンキ議定書 採択

長距離越境大気汚染条約に基づく、硫黄酸化物排出削減に関する議定書。

酸性雨などの越境大気汚染対策について、主に欧州の加盟諸国が取り組むべき硫黄酸化物の対策で、加盟国に対して1993年までに1980年時点の排出量の少なくとも30%を削減することを求め、国別の削減目標量を定めた。

 

熱帯林行動計画 採択

第23回国連食糧農業機関(FAO)総会において採択された、各国が行う熱帯林の保全、造成及び適正な利用のための行動計画作りへの支援事業である。この計画は、土地利用と林業、林産業の開発、燃料とエネルギー、熱帯林生態系の保全、制度や機関の分野などについての国際的行動指針を示したもので、熱帯林地域の各国において国別の計画が策定されている。

1987年

 

モントリオール議定書 採択
ウィーン条約に基づき、オゾン層を破壊するおそれのある物質を指定し、これらの物質の製造、消費および貿易を規制することを目的とし、採択された議定書。カナダ・モントリオールにて開催された国際会議で採択。

1988年

オゾン層保護法 設立

モントリオール議定書の附属書に属する規定された特定物質などと削減スケジュールに基づき、その生産量及び消費量に基準限度を定めた。

気候変動政府間パネル(IPCC)設立

世界気象機関(WMO)及び国連環境計画(UNEP)により設立された政府間組織。世界中の科学者の協力の下、出版された文献(科学誌に掲載された論文など)に基づいて定期的に報告書を作成し、気候変動に関する最新の科学的知見の評価を提供。

1989年

水質汚濁防止法 改正

地下水に関する規定が追加。

地下水の水質調査が義務付けられて、基準が整備された。

バーゼル条約 採択

一定の廃棄物の国境を越える移動などの規制について国際的な枠組みと手続などを規定した条約。スイスのバーゼルにて開催された国際会議で採択。

1991年

再生資源の利用の促進に関する法律 制定
資源の有効活用を図るとともに、廃棄物の発生の抑制および環境の保全を図るために制定。のちの、資源有効利用促進法になる法律。


動物版レッドデータブック(日本の絶滅のおそれのある野生生物) 作成
調査結果に基づき、より具体的な内容を記載したデータブックである。IUCNによるものと区別するため、JRDBとも呼ばれる

 

廃棄物処理法 改正

・一般廃棄物の処理計画を市町村の全域を対象に策定することとなった。

・特別管理廃棄物制度導入。

・特別管理産業廃棄物管理責任者の設置と特別管理産業廃棄物管理票(マニフェスト)制度が発足。

・産業廃棄物処理業は、産業廃棄物収集運搬業、産業廃棄物処分業、特別管理産業廃棄物収集運搬業、特別管理産業廃棄物処分業の4区分に分けられ、許可期限を5年とし、許可の更新制度が導入。

・一般廃棄物処理施設の規制強化(届出から許可制度になった)

・廃棄物処理業者の許可欠格要件の拡大。

・事業者が産業廃棄物の処理を委託する場合は、収集運搬業者、処分業者それぞれに対し、施行規則に定める事項を記載した文章により、契約を取り交わすこととなった。

・廃棄物処理センター制度化

 

1992年

自動車NOx法 制定

酸性雨の主な原因である、自動車の排ガス中のNOxの総量を半減することを目指した法律。後の自動車NOx・PM法。

 

絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(種の保存法 制定

国内外の絶滅のおそれのある野生生物の種の保存を目的とした法律が、施行された。

国内に生息・生育する希少野生生物については、レッドリストに掲載されている絶滅のおそれのある種(絶滅危惧I類、II類)のうち、人為の影響により生息・生育状況に支障をきしているものの中から、国内希少野生動植物種を指定し、個体の取り扱い規制、生息地の保護、保護増殖事業の実施など保全のために必要な措置を講じている。

外国産の希少野生生物については、ワシントン条約(付属書I掲載種)などに基づいて、国際希少野生動植物種を指定している。国際希少野生動植物種に指定されている種については、販売・頒布目的の陳列・広告と、譲渡しなどは原則禁止。

国連環境開発会議(UNCED)“リオサミット・地球サミット” 開催
1992年6月3日から14日にかけてブラジルのリオデジャネイロで開催された環境と開発をテーマにした国連会議。当時のほぼ全ての国連加盟国172カ国の政府代表が参加し、そのうち116カ国は国家元首が参加。その他、NGO代表2,400人も参加するという一大イベントとなった。

 

リオ宣言 採択

国際連合会議(UNCED)において合意された27原則から成る宣言。UNCEDではこれを実践するための行動計画「アジェンダ 21」の他、「森林原則声明」、2つの国際条約「気候変動に関する国際連合枠組条約」「生物多様性条約」などが国際的に合意された。

 

アジェンダ21

アジェンダ 21は、1992年環境と開発に関するリオ宣言とともに採択された、21 世紀に向けて持続可能な発展を実現するための世界行動計画。

 

森林原則声明

世界中の森林に関する問題について、これらの問題を各国が協力して国際的に解決していくことを目標にしたにおいて採択された、世界で初めての世界的合意である。

 

気候変動に関する国際連合枠組条約
UNFCCC

1992年5月に国連総会で採択された、地球温暖化問題に関する国際的な枠組みを設定した環境条約。別名、気候変動枠組条約、地球温暖化防止条約。

気候変動問題解決に向けた初めての多国間条約である。1992年に採択され、1994年に発効した。先進国及び旧ソ連や東欧など(合わせて附属書I国と呼ばれる)に対して、2000年までに1990年の水準にまで温室効果ガス排出量を削減するために必要な政策を実施することが義務づけられた。

 

生物の多様性に関する条約
(生物多様性条約(CBD))

個別の野生生物種や、特定地域の生態系に限らず、地球規模の広がりで生物多様性を考え、その保全を目指す国際条約。

 

こちらの年表もご覧ください。

【環境年表】環境問題の歴史に迫れ(1945年~1977年) Part1!

【環境年表】環境問題の歴史に迫れ(1993年~1999年) Part3!

【環境年表】環境問題の歴史に迫れ(2000年~2010年) Part4!

【環境年表】環境問題の歴史に迫れ(2011年~2017年) Part5!

【環境年表】環境問題の歴史に迫れ(2018年~2021年) Part

 

 


 

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