IPCCが示す地球温暖化の事実
2022/04/04
2022/4/25
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はじめに
IPCCとは「気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change)」の略称です。IPCCは1988年に国連環境計画と世界気象機関によって設立され、気候変動に関する最新の科学的知見を取りまとめた報告書を作成し、各国政府の気候変動に関する政策に科学的な基礎を与えることを目的としています。
内容
現在、世界中の国々が環境問題を重要視し、官民問わずその対策を始めています。日本でも2050年までにカーボンニュートラルを達成するために、再生可能エネルギーの利用やCCSなど様々な取り組みの計画や検証を進めています。
世界の国々がこのような方向に歩みを進めるのは、1992年の地球サミットや1997年の京都議定書などの地球温暖化に関する国際協調を経た2015年のパリ協定に基づいています。
今回、「気候変動に関する政府間パネル」(Intergovernmental Panel on Climate Change、以下「IPCC」)から報告された内容について、パリ協定が合意されるまでと最新の報告内容をたどっていきます。
これまでに報告書が第1次から第6次まで公開されており、要点は次の通りです。
第1次報告書:
1990年に発表。地球は温暖化に向かっているが、それが人間活動に伴う現象であるかは、不確実性が残る。
第2次報告書:
1995年に発表。人間活動の影響による地球温暖化が既に起こりつつあることが確認された。
第3次報告書:
2001年に発表。過去50年間に観測された温暖化のほとんどが人間活動によるものであるという、新たな、かつより強力な証拠が得られた。
第4次報告書:
2007年に発表。地球温暖化については、その事実を疑う余地なしとし、20世紀半ば以降に観測された世界平均気温の上昇のほとんどは,人為起源の温室効果ガスの増加によってもたらされた可能性が非常に高いと確実性を高めた。
第5次報告書:
2013年から2014年にかけて発表。3つの作業部会が「自然科学的根拠」、「影響・適応・脆弱性」、「気候変動の緩和」のそれぞれの観点から報告。第4次報告書と同じく地球温暖化の原因は人間活動であるとし、将来の可能性とその対策を提起した。
第6次報告書:
2021年に発表が開始され、第5次報告書と同様に3つの作業部会がそれぞれの観点で報告。人間の影響が大気、海洋及び陸域を温暖化させてきたことには疑う余地がないとより具体的に報告し、21 世紀中に気温は産業革命前と比べ1.5℃~2℃上昇すると示した。
おわりに
現在、地球温暖化の原因が人間の産業活動にあることは世界中の専門家から疑う余地のないこととして認められています。2022年内には第6次報告書の発表が完了する予定です。経済活動や消費活動が地球温暖化の原因であることを前提に、温暖化が地球にどのような影響を及ぼす可能性があるか、緩和させるためにはどのような活動が必要となるか、そして適応していくためには何が必要かということに焦点が置かれるでしょう。地球温暖化対策として民間企業が第一に行うべきことは現状の把握です。温暖化の原因となる温室効果ガス、とりわけCO2を事業活動の中でどれだけ排出しているのかを把握し、そこから削減対策を考える必要があります。JEMSでも電子マニフェストデータから廃棄物処理に関するCO2排出量を算定するサービスがあります。取り組みがまだの方は検討してみてはいかがでしょうか。