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サーキュラーエコノミーとは?日本国内の企業事例3選

2022/03/07

2022/3/28

  • カーボンニュートラル
  • 循環型社会

 サーキュラーエコノミーとは、今までのような資源を利用して作り、使い終わったら捨てるといった直線的な経済の仕組みの中で処分されていたものを、最初から資源と捉え、循環させていく経済の仕組みのことをいいます。

サーキュラーエコノミーとは?

 まずは、サーキュラーエコノミーとはどのような概念なのか、リニアエコノミーや3Rとの意味の違いについてご説明します。

 

 サーキュラーエコノミーと聞くと、なんだか難しく感じるかもしれません。日本語にすると循環型経済と訳すことができるため、資源を最大限に長期間循環させながら利用していく経済の仕組みと考えておくとよいでしょう。

 

リニアエコノミー、3Rとの違いについて

 サーキュラーエコノミーという概念が広まる前は、リニアエコノミーで経済を回しているケースが多くありました。リニアエコノミーでは、大量生産・大量消費・大量廃棄が当たり前となっており、原料調達・生産・使用・廃棄という一方通行の経済システムでした。

 

 このようなリニアエコノミーの経済の仕組みは、大量の廃棄物を生み、資源不足はもちろん、気候変動の原因となっていました。この問題に対処するには、サーキュラーエコノミーへと経済の仕組みを変える必要があります。サーキュラーエコノミーでは、廃棄される前に原料としてリサイクルされるため、廃棄物が出ることがありません。

 

また、ゴミを減らすための3つの取り組みである3Rとはどのような点で異なるのでしょうか。

Reduce(減らす)

Reuse(再利用する)

Recycle(リサイクル)

 

 3Rはリニアエコノミーという原料調達から廃棄までの一方通行のシステムの中に含まれる、部分的な循環の考え方であり、“廃棄”が存在しています。しかし、サーキュラーエコノミーでは、廃棄ゼロを目指し、すべての廃棄物は次の“原料”として再生するという循環を常にしているため、廃棄“があるか、ないかという点で、概念に大きな違いがあります。

 また、リニアエコノミーでは廃棄する際に初めてどのようなリサイクルができるかを考えますが、サーキュラーエコノミーでは廃棄する時のことを考慮した製品の設計、製造を行います。廃棄ゼロを目指すために長寿命で使い続けられることや、そもそもモノを所有せずにサービスを享受できること等も商品の価値として考慮されます。

日本国内の取り組み事例

 次に、日本国内でのサーキュラーエコノミーの取り組みや具体的な企業事例についてご説明します。

 

サーキュラーエコノミーの日本国内の取り組みの状況について

 日本国内では、製品のリサイクルが主な取り組みとして行われています。

 循環型経済社会を実現するには、捨てるという行動をなくす必要があります。家具や自動車、機械製品のリサイクルはもちろん、プラスチック製品まで、再利用する取り組みが行われています。

 

 また、リユースという視点で身近な事例を考えると、近年活況なメルカリやラクマ等、不要な製品を販売するサービスは、サーキュラーエコノミーとしての新たな価値と捉えることもでき、循環型経済社会に合わせた個人によるアクションといえます。

 

 

サーキュラーエコノミーの国内企業事例

 実際に、日本国内の企業ではどのような取り組みが行われているのでしょうか。サーキュラーエコノミーの具体的な事例を見ていきましょう。

 

企業事例1 日本コカ・コーラ()

 2018年に「容器の2030年ビジョン」を発表し、ペットボトル1本あたりのリサイクル原料もしくは植物由来原料の含有率を2030年までに50%以上に引き上げることを掲げました。

出典:環境省「令和元年版 環境・循環型社会・生物多様性白書

 そして、2019年には新たな環境目標を発表し、2022年中にリサイクル原料の含有率を50%以上へ、2030年までにはすべてのペットボトルでリサイクル原料もしくは植物由来原料を100%とすることを目指しています。

 

企業事例2 パナソニック()

 セルロースナノファイバーは植物を原料としており、軽量でありながら高い強度や弾性率を持つ素材として様々な基盤素材への活用が期待されています。

 パナソニックでは冷蔵庫部品や洗濯機の部品に石油由来のプラスチックではなく、セルロースナノファイバー複合樹脂を活用。耐衝撃性やリサイクル性に優れており、製造時や製品使用時におけるCO2排出削減効果も確認しています。

出典:環境省「セルロースナノファイバー(CNF)等の次世代素材活用推進事業の成果のまとめ

 

企業事例3 ㈱ユナイテッドアローズ

 これまで自社の基準外であった衣類等をリペアし、新たな商品として販売。また、修理依頼に対応するチーム体制も構築し、年間5,000件以上のリペアオーダーにも対応できるようにしました。これにより、新しい服を「購入」するだけでなく「リペア」も来店動機となったことで、新たな顧客接点を開拓することに成功しています。

出典:環境省「リペアを通じて顧客接点を拡大した新たな価値作りの取組事例

まとめ

 サーキュラーエコノミーとは、廃棄という概念をなくし、廃棄ゼロを目指して経済サイクルを回していく考え方です。たとえば、日本コカ・コーラのようによりリサイクルに注力し、廃棄物を無くしていくという考え方や、パナソニック㈱のように製品の部品に自然由来の原料を取り入れるということも有効です。また、㈱ユナイテッドアローズのように新しい価値に着目し新たな顧客を開拓することも非常に重要な視点なのではないでしょうか。

 自社でできるサーキュラーエコノミーの取り組みを見つけて、積極的な環境保護を行っていきましょう。

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