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グリーン・バリューチェーンとは?

2020/08/11

2020/8/11

  • ICT
  • IT
  • IoT
  • サプライチェーンマネジメント
  • 再生可能エネルギー
  • 循環型社会
  • 廃棄物業界DX

はじめに

世界では温室効果ガスの排出量増加が問題となっています。グリーン・バリューチェーンとは、サプライチェーン全体で温室効果ガスの排出量削減を行う日本の取り組みのことです。

そもそも温室効果ガスとは?

温室効果ガスとは、赤外線を吸収し、放出する「温室効果」の性質を持つ気体です。太陽光には赤外線が多く含まれており、これが地球に当たることによって地上を温めます。この熱はやがて宇宙空間に向かって放射されますが、温室効果ガスはこの熱を吸収し、地表の温度を保っています。これを温室効果と呼びます。しかし、工業化の進展により温室効果ガスが増え、温室効果の作用が高まったことで地球の平均気温上がり、地球温暖化の要因となっています。代表的な温室効果ガスは以下です。

  • 二酸化炭素
  • メタン
  • 一酸化二窒素
  • フロン類

サプライチェーンにおける温室効果ガスの排出

サプライチェーンとは、原料調達・製造・物流・販売・廃棄などの企業活動の一連の流れを指します。環境省では、温室効果ガスは排出される段階を大きく3つに分け、サプライチェーンの全体での排出量削減を推奨しています。

  1. 直接排出量:自社の工場・オフィス・車両などからの排出
  2. エネルギー起源間接排出量:電力など自社で消費したエネルギー使用による排出
  3. その他の間接排出量:自社以外の関係事業者等からの排出

1、2の自社の生産活動での削減はもちろんのこと、3の自社以外との関係事業者との連携を図り、原料調達から販売・廃棄までの全過程で温室効果ガスを削減することが求められています。

(参照:環境省「グリーンバリューチェーンプラットフォーム」)

企業の取り組み

CSR活動の一環として、CO2などの温室効果ガスの削減に取り組んでいる企業があります。

 

①Panasonic:メーカー・製造業

工場の省エネ、太陽光などの再生可能エネルギーの利活用、工場・オフィス・ショウルームなどでのLED照明への切り替え等を行いました。またCO2の削減を確実なものとするために、工場の各施設のエネルギー使用状況や削減効果を見える化するシステムを作り、分析することで新たな省エネ施策へとつなげています。結果として、2018年度のCO2原単位は、2013年度比で14%の削減(年平均2.8%)に成功しました。

生産活動におけるCO2排出量と原単位

(参照:Panasonic環境:工場の地球温暖化防止」)

 

②日本通運:運送業

2017年4月から、「二酸化炭素排出量を2030年度までに2013年度比で30%削減する」という目標を掲げ、CO2をはじめとした温室効果ガスの削減に努めています。具体的にはハイブリッド車・CNG車などの環境配慮車両の導入や、太陽光発電設備を設置した倉庫や屋上緑化を施した建物の建築などに取り組んでいます。また、取引先との連携・協働を進め、トラック中心の輸送形態から鉄道・船舶を多用した輸送形態へ切り替えるモーダルシフトを推進することで、CO2の削減を進めています。


(参照:日本通運「CO2排出量データ」)

まとめ

グリーン・バリューチェーンとは、他社も含めたサプライチェーン全体で温室効果ガスの排出量を削減する取り組みです。自社で削減に向けた事例は多いですが、他関係企業を巻き込んだものはまだ多くはありません。しかし、企業それぞれが温室効果ガスの削減を行うことで結果的にサプライチェーン全体での削減を実現することができます。そして運送過程や製造過程では、ICTを導入、効率化することにより排出量の削減を図ることが可能です。温室効果ガス削減、省エネに向け、ぜひICTの導入やサプライチェーンマネジメントについて検討してみてください。

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