木質バイオマス発電とは?
2020/05/20
2024/1/9
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はじめに
バイオマス発電とは、化石燃料以外の生物由来の再生可能資源を燃料として発電する方法です。バイオマス発電の原料は、
①乾燥材(建築に際して発生した廃材やもみ殻など)
②湿潤材(食品廃棄物や家畜のふん尿など)
③その他(古紙や産業食用廃油など)
に分類されます。
バイオマス発電の種類と仕組み
バイオマス発電は、原料の種類によって発電方法が下記のように異なります。
①直接燃焼方式(原料:乾燥系)
直接燃焼方式は、木くずや間伐材(森林の育成のために間引いた木材)、可燃性ごみ、精製した廃油などを燃料として使います。木くずなどは「木質ペレット」という小さい固形状の燃焼物に、間伐材などは粉砕して「木質チップ」等に加工することで、輸送しやすくするとともに燃焼効率を高め、エネルギー変換効率を高めることができます。
②熱分解ガス化方式(原料:その他)
熱分解ガス化方式も木くずや間伐材、可燃性ゴミなどを燃料として使いますが、直接燃焼させるのではなく、加熱することによって発生させたガスによってガスタービンを回します。
③生物化学的ガス化方式(原料:湿潤系)
生物化学的ガス化方式は、家畜の糞尿や生ごみ、下水汚泥などを燃やすのではなく発酵させることで、メタンなどのバイオガスを発生させて、ガスタービンを回すことで発電を行います。
バイオマス発電のメリット
バイオマス発電には
- 再生可能エネルギーである
- 天気などに左右される太陽光発電や風力発電とは異なり、燃料さえあれば安定的に発電することができる
- CO2を増加させずにエネルギーを作り出すことができるクリーンな発電方法(カーボンニュートラル)である
- 輸入資源に頼ることなく国産木材を燃料とすることで、林業の再興や山林の再生、地方の活性化といった効果が期待できる
- 廃棄物を燃料として有効活用できる(廃棄物の量を削減できる)
- 新たなビジネスや雇用の創出につながる
などのメリットがあります。
バイオマス発電の課題
多くのメリットがある一方、バイオマス発電には
- コストがかかる
- 人手・資源不足により発電施設の監視ができない
- 木材資源の取り合いが懸念される(燃料の合理的、且つ低コストでの調達)
などのデメリットもあります。
まとめ
バイオマス発電とは、再生可能資源を燃料とする環境にやさしい発電方法で、林業や畜産といった第1次産業と密接な関係があります。環境に優しいだけでなく、林業再興や山林再生、地方活性化、新たな雇用の創出なども期待できます。バイオマス発電の促進・拡大は、コストや安定した燃料調達の仕組みという課題を克服できれば、無駄になってしまっている森林資源を有効活用し、地球の温暖化を防ぐ1つの方法として、非常に良い取り組みです。効率的な燃料の調達や人員不足は、ICT・ITの導入で解決することが可能です。ICT・ITを導入し、環境にも日本経済にも優しいバイオマス発電を導入してみてはいかがでしょうか。
JEMSでは、サーキュラーエコノミーの実現に向け資源循環の価値証明サービス「Circular Navi」の提供を2022年4月に開始しました。
すでにプラスチックの資源循環をはじめとした実証実験などにご活用いただいています。
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