森林認証制度とは?
2020/05/08
2024/1/9
- トレーサビリティーシステム
- サプライチェーンマネジメント
- SGEC
- 森林認証
- 廃棄物業界DX
- 地方創生DX
- ⼟⽊・建設
はじめに
森林認証制度とは、適正に管理された森林から切り出された木材などに認証マークを発行し、持続可能な森林の利活用・保護を図る制度のことです。社会の環境への関心が高まっている現在、企業の社会的責任や環境保護への貢献が求められる中、より健全で持続的な森林管理・木材加工流通に向け、森林認証制度への期待が高まっています。
森林認証の取得方法
森林認証を取得するには、独立した第三者機関(認証機関)の実施する審査に合格する必要があります。森林認証には種類あり、それぞれの森林認証ごとに定められている基準等を満たしていることを第三者機関に証明します。森林認証には一般的に、下記基準が含まれます。
- 国内外の法律・規則等を守ること
- 森林の状況、施業の結果、生産の結果等をモニタリングにより把握すること
- 長期及び短期の森林の経営計画を立てること
- 環境や地域社会等に配慮した森林経営をすること
(参照:林野庁「森林認証を取得するには」)
森林認証の種類
①FSC(森林管理協議会)
1993年に設立された、世界各国で森林認証業務を行う機関を評価、認定、監視するための協議会です。FSCでは、森林が責任をもって管理されているかを審査し認証するFM認証、認証林から収穫された認証材が消費者の手に届くまでの加工・流通過程を認証するCoC認証、一度しか作らないもの(建造物や船、イベント会場など)を認証するプロジェクト認証という3種類の認証があります。
②PEFC(PEFC森林認証プログラム)
1999年に設立された、様々な国の独自の認証制度を承認する組織です。2003年に旧名「汎欧州森林認証制度(Pan European Forest Certification Schemes)」から改称して以降、急速に拡大し、認証面積は世界最大となっています。
③SGEC(一般社団法人 緑の循環認証会議)
2003年に設立された日本独自の認証制度で、2016年にPEFCと相互認証が認められました。このSGECには、林業関係者のための「森林管理認証 FM」と、加工・流通業者のための「生産物認証 CoC」があります。
SGEC認証マークが付くことで、消費者が認証された木材等を選択して購入することが可能となります。
木質バイオマス証明制度
2011年、「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(FIT)」が立法化されました。この中で、再生可能エネルギー発電設備の区分ごとの調達価格が定められました。木質バイオマス発電においても、使用する木質バイオマスを「間伐等由来のバイオマス」、「一般木質バイオマス」、「建築資材廃棄物」の3つの区分とし、調達価格が定められました。これによって、どの区分の木質バイオマスを使用しているか、適切に識別・確認されることが必要になりました。この木質バイオマスの合法性、持続可能性の証明にも、森林認証とCoC認証を活用することができます。
関連コラム:木質バイオマス発電とは?
まとめ
森林認証制度とは、持続可能な森林の利活用・保護を図る制度です。認証マークの付いた製品は、適切に管理された森林に由来するものであると認められた、環境配慮型の商品です。一般の消費者は、木材製品や紙製品を購入する際にロゴマークの付いたものを選ぶことで、森林・林業界を支援することができます。また、森林・林業者をはじめ、製紙会社や印刷会社、パッケージング業界などにおいては、FM・CoC認証企業となり、認証された製品を製造・流通・販売する企業が増えています。
森林・林業界の支援のみならず、どのような木材等を使用しているかというサプライチェーンが透明化されることで、コンプライアンス面の向上も期待できます。サプライチェーンの透明化は、トレーサビリティシステムの導入により可能です。持続可能な森林の利活用・保護のため、是非検討してみてください。
JEMSでは廃棄物や資源循環の知見を活かしたシステム開発やサービスを提供しております。 「トレーサビリティシステムによる木質バイオマス由来の証明」をご支援した事例もありますので、サプライチェーンの透明化やトレーサビリティシステムの導入をお考えの方はJEMSへお気軽にお問い合わせください。
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