除去土壌輸送管理システム
除去土壌輸送管理システム
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- 動態管理
- 輸送管理
- 個体管理
- システム連携
- 福島地域再生
- 循環型社会
- 廃棄物業界DX
- 地方創生DX
- ⼟⽊・建設
2011年に発生した東日本大震災における福島第一原子力発電所の事故の復興作業には、除染・中間貯蔵・廃炉の3事業があります。JEMSはそのうちの中間貯蔵事業*における除去土壌の管理システムを構築しました。
弊社システムは、本プロジェクト(中間貯蔵事業)において70%以上のシェアを獲得しています(2021年12月時点)。
※中間貯蔵事業:仮置場などで一時的に保管されている除去土壌など(除染事業により発生した放射性物質を含む土壌、草木など)を、大型車両にて中間貯蔵施設まで輸送し、最終処分するまでの間、安全に集中的に管理・保管する事業です。
背景
2011年に発生した東日本大震災における福島第一原子力発電所の事故の復興作業には、除染、中間貯蔵、廃炉の3事業があります。そのうち中間貯蔵事業は、市町村のご協力を得て決定した仮置場等で一時的に保管されている除去土壌等(除染事業により発生した放射性物質を含む土壌、草木など)を、大型車両にて中間貯蔵施設まで輸送し、最終処分するまでの間安全に集中的に管理・保管する事業です。
除去土壌等の安全な管理・保管を実現するために、システムによる追跡管理が不可欠でした。また、課題や要望が出揃わない中で、実際に運用をしながらシステムの仕様を固めていく必要がありました。
課題
仕様決定と運用の同時進行
事業の性格上、仕様要求から短期間での稼働が要請されたため着手から2ヶ月での稼働開始となりました。また、運用中も現場の業務ルールの変更に柔軟に対応する必要がありました。
除去土壌などの個体情報(重量、線量など)の全数管理
除去土壌等は、フレコンバッグという保管容器に入れられています。このフレコンバッグごとの個体情報(重量、線量など)を一元的に管理できる 機能を希望されました。
除去土壌などの輸送状況をリアルタイムで監視し、計画的に輸送を行う
フレコンバッグは、安全、且つ計画的に中間貯蔵施設まで輸送する必要があります。そのため、計画輸送経路に準じた輸送を行う車両の位置情報をはじめとする情報管理には、データ欠損も許されない厳格な要求から正確かつリアルタイムに把握できる機能を希望されました。
環境省の「総合管理システム」との連携
フレコンバッグの個体情報と輸送状況のデータは、全現場・車両・フレコンバッグの情報を、国が統合管理するシステムと連携させなくてはなりません。
実現したこと
アジャイル開発手法でのプロジェクト運営
システム稼働中も現場の状況が刻一刻と変わるため、都度決定された要求に対応できる「アジャイル開発」を手法として採用しました。
全数管理システムによる個体情報の一元管理
除去土壌などが入ったフレコンバッグに、管理用の輸送タグ(一次元バーコード)を取り付け、情報を登録することで一元管理を実現しました。
輸送管理システムによるリアルタイム監視
輸送車両に車載端末を取り付け、車両のGPS位置情報を取得し、稼働中の全輸送車両の位置情報や作業状況のリアルタイムな把握を実現しました。
総合管理システムとの連携
これらの2つのシステムから環境省の管理システムにリアルタイムでデータが連携される仕組みを構築し、安全かつ計画的な輸送を支えています。
使用したハードウェア
車載端末(スマートフォン)
端末による位置情報取得エラーやシステムの不具合を防止するために、運搬車両での稼働実績がある端末を指定端末としています。
ハンディターミナル
さまざまな使用環境に対応可能な頑丈なモデルを選定しています。難読コード対応のため、薄くなってしまった、かすれてしまった、汚れてしまった等のバーコードも読み取ることが可能です。
クレーンロードセル
フレコンバッグ(トンバッグ)をクレーンで吊り上げた時点で重量値をロードセルで取得し、その値をシステムへリアルタイムに送信します。