SCM(サプライチェーンマネジメント)とは?
2020/05/12
2021/3/30
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はじめに
サプライチェーン(Supply Chain)とは、直訳すると「供給連鎖」で、原材料を調達し、加工などを経て、消費者に渡るまでの一連の流れ(生産・流通プロセス)のことです。サプライチェーンマネジメント(Supply Chain Management)は、このモノの流れと情報の流れを紐づけ、サプライチェーン全体で情報を共有・連携し、その情報を分析して改善を図る経営手法のことです。
SCMのメリット
各工程の情報を一元管理できるため、
- コスト削減(利益向上)
- 在庫の最適化
- 需要変動の予測による事業リスクの軽減
- 業務プロセスの効率化・最適化による人手不足の解消
- 顧客に商品を届けるまでのリードタイムの削減(顧客満足度の向上)
などが期待できます。
SCMの課題
サプライチェーンマネジメントの実行にあたり、
- 導入コストがかかる
- プロセスごとの調整困難
などの課題が挙げられますが、最も大きな課題はリアルタイムな情報の取得・管理です。例えば、
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A社のSCMシステムは、システム上の情報と実際の状況に1日のタイムラグがあると仮定します。毎日製品Bを工場長が決定した数量生産し、工場から販売店へ翌日納品されるというサプライチェーンです。
<●月1日>
販売店における製品の在庫数を確認したところ、まだ110個と余裕があったので、通常通りの10個のみ生産しました。
<●月2日>
在庫数を再度確認したところ、昨日100個の大量発注が入り、在庫10個と残りわずかになくなっていました。昨日生産した10個は本日B社に納品されます。本日20個以上の発注が入っている場合、在庫がなくなってしまいます。昨日のような大量発注に備え、本日は通常より多めの120個生産しました。
<●月3日>
在庫数を再度確認したところ昨日は発注がなく、140個という大量の在庫を抱えることになってしまいました。
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のように、システム上の情報と実際の状況にタイムラグがあると、在庫の最適化ができない可能性があります。システム上の情報の価値(SCMの効果)を下げないために、環境DX事業部では、GPS技術などを活用し、リアルタイムな情報の取得・管理を可能としています。
ERP(エンタープライズ・リソース・プランニング)との違い
エンタープライズ・リソース・プランニング(Enterprise Resource Planning)とは、企業の経済活動を支える資源(人材、資金、設備、資材、情報など)を統合管理する経営管理手法です。原材料の調達、製造、販売、営業を行う直接部門から、経理・人事などの間接部門まで、全部門の日々の業務活動を統合的、且つリアルタイムに連携・処理するシステムを導入することで、効率的な経営を図ります。SCMはと異なるのは、間接部門までも効率化・最適化の対象とするところです。SCMの一環として各業務拠点の労務管理を行う企業も多いため、ERPをSCMに組み込んだシステムも出てきています。
まとめ
SCM(サプライチェーンマネジメント)とは、製品を作る最初の段階から消費者に届くまでの一連の流れを管理すること、または管理するシステムのことです。SCMを導入すると、在庫の最適化やお客様への納品リードタイムの短縮など、さまざまな効果が期待できます。クラウドに対応したSCMシステムを導入すれば、各企業内にシステムを構築する必要がなく、また、個別のバージョンアップをしなくても常に最新のバージョンを利用することができます。ビジネスの多様化・グローバル化により、製品の安定供給というのは課題ではなく必須の事項になってきています。SCMシステムの導入・運用にはある程度のコストや労力を要しますが、まずは協力会社と小規模なネットワークを構築してリアルタイムな情報共有を可能にすることから始めるなど、中小企業でも導入しやすい環境が整ってきています。より効率的な経営管理を実現する手段として、ぜひSCMの導入をご検討してみてください。