企業が気を付けなければならないグリーンウォッシュについて
2022/09/12
2023/12/20
- 経営管理
はじめに
グリーンウォッシュとは環境への配慮を表す「green」とごまかしや取り繕いを表す「whitewash」を組み合わせた造語であり、企業などが環境に配慮した製品や取り組みに見せかけ、実際は環境配慮が十分でない行為に対して使われる言葉となります。
グリーンウォッシュとみなされる七つの視点
世界ではカーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーなどの環境に配慮した取り組みが行われています。多くの企業がGHG排出量を抑える取り組みや、再資源化できる製品の開発・販売に励んでいます。企業がそれらの取り組みを外部へ発信する際、実態とは異なる情報を発信することで消費者や世間へ誤解を招いてしまう場合があります。この行為を「グリーンウォッシュ」といいます。
アメリカの調査機関「UL Solutions」ではグリーンウォッシュについて具体的に七つ挙げ、「Sins of Greenwashing」として発表しています。
# |
区分 |
内容 |
1 |
Sin of the hidden trade-off |
製品に関するプロセスにおいて、一部分を切り出し環境へ配慮していると主張する事。 |
2 |
Sin of no proof |
WEBなどでの情報公開や第三者認証が行われていない事。 |
3 |
Sin of vagueness |
公開された情報が曖昧であり捉え方によって解釈が変わってしまう事。 |
4 |
Sin of worshiping false labels |
認証を得られていないにも関わらずそのロゴマークを使用する事。 |
5 |
Sin of irrelevance |
環境への配慮を求める消費者へ無関係な情報で環境配慮を主張する事。 |
6 |
Sin of lesser of two evils |
同じカテゴリ製品のうち、より悪影響を及ぼす製品を引き合いに出し、その製品より優れていると主張する事。 |
7 |
Sin of fibbing |
誤った情報や虚偽を主張する事。 |
(参考:UL Solutions「Sins of Greenwashing」)
海外ではグリーンウォッシュに対して規制を行っている国もあります。ガイドラインが制定され、違反した場合は罰金を科すこともあります。
一方、日本ではグリーンウォッシュに対する規制はまだありません。しかし、消費者や世間へ悪い印象を広めてしまい将来的には不利益を被る可能性があります。
自社の活動がグリーンウォッシュにならないためには、正しい情報を適切に公開することが重要です。自社のホームページやCSR報告書にて公開することも方法の一つです。なお、欧州においては、製品の使用材料や耐久性、リサイクル容易性といった情報を付加するデジタル製品パスポートの検討が進んでいます。(詳しくは「デジタル製品パスポートとは」をご覧ください)
まとめ
世界では環境に配慮した製品やサービスを提供することが企業として必須な取り組みとなりつつあります。今までのような経済成長を目指して大量生産大量消費をする時代は終わりました。これからは使用済みの製品が再資源化され、より少ないGHG排出量を目指していかなければなりません。そして、自社製品の情報を正しく発信し、グリーンウォッシュでないことを示していく必要があります。
JEMSでは、サーキュラーエコノミーの実現に向け資源循環の価値証明サービス「Circular Navi」の提供を2022年4月に開始しました。
すでにプラスチックの資源循環をはじめとした実証実験などにご活用いただいています。
その他にも、一般廃棄物を削減するための回収量の見える化や、食品ロスを削減するための食品廃棄物の見える化などのさまざまな取り組みを支援しています。
今後も約30年にわたる廃棄物管理の分野で培ったノウハウとパートナーシップをもとに再生材や再生材利用製品の価値を最大化することで企業の循環型ビジネスの構築を支援していきます。
サーキュラーエコノミーに主体的に取り組もうとお考えの皆様のパートナーであり続けることを目指しています。