解説!!『プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律』① ~法律に関する用語整理及び解説~
2022/01/13
2022/1/25
- リニアエコノミー
- 循環型社会
はじめに
プラスチックごみの排出抑制及び再資源化を促進するため、2019年「プラスチック資源循環戦略」が策定されました。その戦略をさらに具体化するため、2021年3月9日に「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律案」が閣議決定され、衆議院及び参議院本会議可決を経て原案通り成立し、2021年6月11日に「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」(以下「プラ新法」)が公布され、2022年4月1日から施行する予定になっています。
プラ新法においては一見似たような用語が多数ありますので、今回はその中の一部混同しやすい用語について、プラスチックに関わる製品、関連事業者、再生利用方法、関連計画の4つの区分に整理してわかりやすく説明します。
用語整理および解説
区分 |
用語 |
簡単解説 |
該当法令 |
プラスチックに関わる製品 |
プラスチック使用製品 |
プラスチックのみで製造された製品だけではなく、プラスチックが使用されている製品であれば該当する(以下「プラ製品」) |
法第2条第1項 |
認定プラスチック使用製品 |
・主務大臣が定めた指針に則した設計であると認定を受けたプラ製品 ・国等が調達する際に率先して認定プラ製品を購入する予定(グリーン購入法の配慮) |
法第10条第1項 |
|
特定プラスチック使用製品 |
政令で定めた8業種における12製品 <12製品>:フォーク、スプーン、テーブルナイフ、マドラー、ストロー、ヘアブラシ、櫛、かみそり、シャワーキャップ、歯ブラシ、ハンガー、衣類用のカバー <8業種>:各種商品小売業、各種食料品小売業、その他の飲食料品小売業、無店舗小売業、宿泊業、飲食店、持ち帰り・配達飲食サービス業、洗濯業 |
法第28条第1項 |
|
関連事業者 |
プラスチック使用製品製造事業者等 |
プラ製品の設計を含む製造業者、専らプラ製品の設計を業とする者の総称 |
法第7条第1項 |
認定プラスチック使用製品製造事業者等 |
設計認定を受けたプラスチック使用製品製造事業者等のこと |
法第9条第1項 |
|
特定プラスチック使用製品提供事業者 |
政令で定めた12製品を提供する8業種の事業者のこと |
法第28条第1項 |
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特定プラスチック使用製品多量提供事業者 |
・前年度において8業種における12製品の提供量(加盟店の提供量含む)が5トン以上の事業者のこと ・排出抑制の取り組みが著しく不十分の場合、勧告・公表・命令が出され、命令に違反した場合は50万円以下の罰金 |
法第30条第1項 |
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多量排出事業者 |
・前年度においてプラ製品の産業廃棄物等の排出量(加盟店の提供量含む)が250トン以上の事業者のこと ・排出抑制・再資源化等の取り組みが著しく不十分の場合、勧告・公表・命令が出され、命令に違反した場合は50万円以下の罰金 |
第46条第1項 |
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再生利用方法 |
再商品化 |
・市町村で回収したプラごみを、利用者がそのまま使えるように製品化すること ・熱回収として製品化したものでもよい(政令指定製品あり) ・市町村が製品化を行う |
法第2条第8項 |
再資源化 |
・回収されたプラ(ごみとは限らず価値がある物等も含む)の全部または一部を他の製品の一部または原料として再利用すること ・製造事業者等が行う |
法第2条第5項 |
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再資源化等 |
・再資源化+熱回収のこと ・排出事業者が行う |
法第2条第6項 |
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関連計画 |
再商品化計画 |
・市町村が回収したプラごみの再商品化の実施に関する計画のこと ・市町村は単独または共同で申請可能 |
法第33条 |
認定再商品化計画 |
主務大臣の認定を受けた再商品化計画のこと |
法第34条第4項 |
|
再資源化事業計画 |
再資源化のためのプラごみの収集、運搬、処分の事業の実施に関する計画のこと |
法第48条 |
|
自主回収・再資源化事業計画 |
自社製造、販売またはその販売等の過程で付随として提供するプラ製品が使用済みになった場合、それらの物の再資源化を目的として収集、運搬及び処分の事業の実施に関する計画のこと |
法第39条第1項 |
おわりに
今回は、プラ新法における新しい用語の一部をより理解しやすいように整理及び解説をしました。プラ新法を読む際のお役に立てば幸いです。
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